2009年(平成21年)平和宣言
平和宣言
私たちの愛する郷土沖縄は、先の大戦で史上まれに見る苛烈を極めた地上戦の場となり、20万人余りの尊い命とともに貴重な文化遺産や美しい自然が失われました。今日でも最愛の家族や友人を失った深い悲しみは多くの人々の心にいえることのない傷を残し、私たちはこの悲惨な体験から戦争の愚かさ、命の尊さ、平和の大切さという教訓を学んだのです。
戦後、私たちは、焼け野が原から立ち上がり、たゆまぬ努力とゆるぎない信念を持って、県民が安心して生活できる経済基盤を作り、誇り高く生きるための文化的活力を取り戻すため、懸命に復興に取り組んできました。
しかし、戦後64年を経たにもかかわらず、依然として沖縄には、広大な米軍基地が集中し、そこから派生する事件・事故が後を絶たないばかりか、今でも地中に残る不発弾に県民は、危険にさらされ、不安を感じているのであります。
県民の目に見える形での負担を軽減するため、日米両政府に対し、基地の整理縮小や日米地位協定の見直しなど、今後とも粘り強く訴えるとともに、不発弾の早期処理についても政府と連携しながら、取り組んでまいります。
一方、世界においては、民族的・宗教的な対立や紛争、貧困、環境問題など、平和を脅かす様々な要因によって、私たちが希う平和とは程遠い状況にあります。
また、世界経済は、これまでにない深刻な事態に直面しております。
このような厳しい現実に正面から向き合い、独自の歴史や文化によって培われた寛容の心を持って、世界すべての人々の共通の願いである恒久平和の実現に向けた取り組みの一層の強化が求められています。過去の教訓を生かし、平和な未来を築いていくことが、私たち県民に課された大きな責務であり、使命であります。
慰霊の日に当たり、戦争で尊い命を失い、私たちを見守ってくださる全ての戦没者の御霊に心から哀悼の誠を捧げます。私たちは、沖縄戦の実相と教訓を胸に刻み、平和を希求してやまない「沖縄のこころ」を礎に、世界の恒久平和の確立を目指し、県民の英知と強い思いを結集し、ここ沖縄の地で全力で邁進することを宣言します。
平成21年6月23日
沖縄県知事 仲井眞弘多
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