1999年(平成11年)平和宣言
平和宣言
沖縄は、去る太平洋戦争において、我が国で唯一、一般住民を巻き込んだ地上戦の場となり、20万人余の尊い人命が犠牲となったばかりでなく、県民の財産や数多くの貴重な文化遺産が失われました。
あれから54年。県民は、時には激しく、時には穏やかに、平和を、そして、人権の尊重を求め続けてきました。それは、人類普遍の思想であり、とりわけ過酷な沖縄戦を体験し、長年にわたる米軍支配を経験した県民が肌身で感じていることであります。
私たちは、この歴史的事実を厳粛に受け止め、無念の思いで犠牲になられたみ霊を慰めるとともに、戦争の悲劇を二度と繰り返してはならないとの強い思いから、世界の人々に平和の尊さを訴えてきました。
しかしながら、本県には、戦後半世紀が過ぎた今なお、広大な米軍基地が存在し、県民は過重な負担を強いられ、また、地域の発展を図る上で大きな制約を受けています。県民の意思を反映した基地の整理縮小を引き続き求めていかなければなりません。
世界の現状は、冷戦終結後も、民族や宗教の対立などから地域紛争が各地で発生しており、人間の尊厳や人権が脅かされています。さらに、世界の人々の核兵器廃絶の願いにもかかわらず、核兵器の開発や保有を進めている国々もあり、核兵器の拡散という新たな危機に直面しています。
今、人類は、これらの問題をはじめ、地球規模での環境破壊など困難な多くの課題を抱えており、各国が協調しあって、新たな平和秩序を構築することが求められています。
平和な世界を築いていくためには、世界の人々が心を開き、民族、宗教などの違いを理解し、認め合い、交流を深め、信頼関係を醸成することが不可欠であります。
西暦2000年7月には、九州・沖縄サミット首脳会合が沖縄で開催されます。主要八か国の首脳が一堂に会するこの会議は、20世紀を締めくくり、21世紀を展望するサミットとして大きな歴史的意義があります。この機会に、私たちは、平和を求める沖縄の心を世界に発信します。
また、平和の創造に先導的な取り組みを行っている人を顕彰するための沖縄平和賞の創設や新しい平和祈念資料館の開設を進めるなど、世界の人々とともに人類の幸福と安寧に貢献できる沖縄を築いてまいります。
沖縄全戦没者追悼式に当たり、私たちは、世界の恒久平和の実現に向かって、一歩一歩着実に前進していく決意を内外に宣言します。
平成11年6月23日
沖縄県知事 稲嶺惠一
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