2000年(平成12年)平和宣言
平和宣言
今を去る55年前、ここ沖縄は太平洋戦争最後の地上戦の場となり、豊かな緑と海に囲まれた人々の穏やかな営みが破壊され、20万人余の貴い生命と多くの貴重な文化遺産が失われました。
沖縄県民は、このような悲惨な戦争体験や戦後の米軍施政下の歴史を通して、平和と人権の尊さを肌身で感じてきました。21世紀を担う若い世代に、この事実と教訓を正しく継承するとともに、世界平和の創造に努めることは、私たちの責務であります。
また、国土面積の0.6パーセントにすぎない本県に、今なお日米安全保障体制を担う米軍基地専用施設の75パーセントが集中し、県民にとって過重な負担となっています。
私たち県民は、米軍基地の整理縮小を引き続き求めていかなければなりません。このような沖縄の現状に国民全体で向き合って欲しいと思います。
恒久平和は世界の人々のねがいであり、平和への不断の努力が続けられています。
国連では、去る5月に開催された核拡散防止条約再検討会議において、核保有国が核兵器廃絶を明確に約束するなどの内容を盛り込んだ合意文書が採択されました。
また、朝鮮半島においては、南北首脳会談が行われ、南北の統一を目指し、和解と協力の新たな時代へ向けて南北首脳が合意するなど、アジア情勢も新たな展開を見せています。
しかしながら、一方では核兵器の開発や保有を進めている国々があり、また民族や宗教の対立などから地域紛争が後を絶ちません。さらには貧困や難民、地球規模の環境問題など多くの課題を抱えております。
世界の国々が、一層協調して、新たな平和秩序を構築していかなければならないのです。
私たち県民は、沖縄戦で亡くなられたすべての人々を、国籍を問わず、また軍人や民間人の区別なく刻銘した「平和の礎(いしじ)」をここ平和祈念公園に建立しました。この礎(いしじ)には、民族や文化、宗教、イデオロギーを乗り越えて、恒久平和の実現を祈る県民の思いが込められています。
7月には、九州・沖縄サミット首脳会合が本県で開催されますが、その折、各国首脳と関係者の皆様には、「平和の礎(いしじ)」を訪れ、平和をなによりも大切にする沖縄の心に触れていただきたいと希望しています。
沖縄はかつて、琉球王国時代、「万国津梁」、いわゆる世界の国々をつなぐ架け橋として活躍した先人の足跡があり、また、多様なものを受け入れる寛容さと歴史を前向きにとらえ未来を創造するたくましい県民性があります。さらに、我が国唯一の亜熱帯海洋性気候という恵まれた自然環境にあります。
21世紀の沖縄は、このような特性を生かし、学術、文化、経済などの交流・協力をとおして、アジア・太平洋地域の発展と世界の平和創造に貢献していきたいと考えています。
慰霊の日に当たり、戦没者のみ霊に心から哀悼の誠を捧げるとともに、戦争の悲惨さと平和の尊さを世界の人々に訴え、恒久平和の実現に向かって、一歩一歩着実に前進していく決意をここに宣言します。
平成12年6月23日
沖縄県知事 稲嶺惠一
このページに関するお問い合わせ
沖縄県 知事公室 平和・地域外交推進課
〒900-8570 沖縄県那覇市泉崎1-2-2 行政棟1階(東側)
電話:098-894-2226 ファクス:098-869-7018
お問い合わせは専用フォームをご利用ください。