1992年(平成4年)平和宣言

ページ番号1040424  更新日 2026年9月15日

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平和宣言

 きょう6月23日は、沖縄戦の犠牲者を悼む慰霊の日である。
 思い返せば47年前、沖縄は日米最後の決戦場となり、年寄りから乳飲み子まで20万余に上る貴い生命が奪われた。生活も文化もあらゆるものが破壊された。山野には今なお、遺骨や不発弾が埋もれており、戦争の傷は癒えることがない。
 にもかかわらず、戦争が記憶から薄れ、世界各地で紛争が後を絶たないことを悲しく思う。
 戦後、私たちは戦争体験の継承に努めるとともに、ひたすら平和を訴え続けてきた。
 それはしかし、単に悲惨な過去を再現してはならないということだけではない。私たちもまた戦争中に、日本国民として、近隣諸国民に対し、加害者の立場に立ったことへの反省を加えてのことである。
 このような県民の意志に反し、今日なお、巨大な軍事基地が存在していることは、極めて遺憾である。私たちは、平和な沖縄をつくるため、軍事基地の大幅な整理縮小、ひいては撤去を強く求める。
 ここで、平和とは何か、考えてみたい。
 平和とは、単に戦争の無い状態をいうのではない。貧困、飢餓、差別、暴力、人権抑圧、環境破壊などもまた、真の意味の平和を脅かすものである。私たちは、このような平和を妨げるすべてのものを取り除き、安らかで豊かな世界を実現するため、不断の努力を積み重ねなければならない。
 かつて私たちの祖先は、近隣諸国と積極的に友好関係を結び、独自の文化を築きあげてきた。この優れた伝統は、現在の私たちの生活の中に息づき、民間の国際交流も盛んに行われている。このような歴史と現状を踏まえ、日本国憲法にうたわれた平和の理念を私たちの手で実現したいものである。
 復帰20周年の慰霊の日に当たり、戦没者のみ霊に哀悼の意を表するとともに、新たな決意をもって沖縄を平和の発信地とすることを、内外に宣言する。

平成4年6月23日
沖縄県知事 大田昌秀

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