2007年(平成19年)平和宣言
平和宣言
私たちが沖縄戦で学んだことは、平和がいかに尊いものであるか、という人類普遍の教訓でした。
私たちはかけがえのない肉親や友人を失い、郷土を焼け野が原にされ、先祖が築いた文化遺産をも失いました。取り戻すことのできない命や宝の犠牲によって、後に続く私たちは、平和の重さを痛切に知ったのです。
あれから62年の年月が過ぎ、あのとき「鉄の暴風」がこの島で吹き荒れたことを示す痕跡(こんせき)は、あらかた姿を消しています。しかし、あの悲惨な戦争がこの島で行われたこと、多くの命と宝が失われたこと、そして、取り戻すことのできないその犠牲の上に平和を求める私たちの意志があることを、私たちは片時も忘れたことがありません。
しかし、私たちの生きるこの時代においても、平和を脅かす要因は数限りなく存在しています。テロリズムや核兵器の脅威、民族的・宗教的な対立や紛争など、世界のニュースに接するたびに、人類が希(こいねが)う平和とは程遠い状況にあると思わざるをえません。私たちが求める平和は、世界において未(いま)だ実現を見ていないのです。
また、沖縄においては、依然として過重な基地負担が続いており、基地から派生する事件や事故、騒音などに悩まされ続けています。沖縄の現実もまた、私たちが望む状況からかけ離れているのです。
そのような現実をしっかり見据えながら、沖縄戦の真実の姿を次の世代に伝え、その教訓をいかすことを私たち一人一人が胸に刻み、それぞれの分野や立場で、平和の実現のために日々努力することが求められています。県民が納得できる形で基地問題を解決することは言うまでもなく、県民が安心して生活できる経済基盤を作り、文化的な活力を高めることも私たちに課された重要な課題です。
慰霊の日に当たり、戦争で尊い命を失い、私たちの未来を見守って下さる全戦没者の御霊(みたま)に心から哀悼の誠を捧(ささ)げます。皆様が与えて下さった教訓を胸に刻み、沖縄、日本、そして世界の人々が安心して暮らせる平和な時代を築くべく、ここ沖縄の地で力強く努力することを宣言します。
平成19年6月23日
沖縄県知事 仲井眞弘多
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