2001年(平成13年)平和宣言
平和宣言
太平洋戦争最後の地上戦のあったこの地、沖縄、過酷な戦闘が展開され、20万人余の貴い生命と多くの貴重な文化遺産が失われました。
私たちは、この悲惨な戦争体験と27年間にも及ぶ米軍施政下の歴史を通して、平和と人権の尊さを肌身で感じており、戦争の悲劇を再び繰り返してはならないと堅く誓い、恒久平和の実現を強く求めてきました。
今日でもなお、国土面積の0.6パーセントにすぎない本県に、日米安全保障体制を担う米軍専用施設の約75パーセントが集中し、県民生活や本県の振興開発に様々な影響を与え続けています。
私たちは、米軍基地の計画的、段階的な整理縮小を引き続き求めていかなければなりません。国の安全保障に関わる米軍基地の負担については、国民が等しく引き受けるべきものであることから、本県が抱える基地問題については、国民的課題として取り組んで欲しいと思います。
新たな世紀を迎え、過ぎた20世紀が二度にわたる世界大戦が起きるなど対立の世紀であったことの反省から、21世紀は調和と共生の時代へと転換しなければなりません。
今日、世界の国々では、相互依存体制の下で国際的な合意形成を図りながら平和への不断の努力が続けられています。
朝鮮半島では、南北の対話がはじまり、緊張緩和が期待されています。また、環境問題については、生物多様性条約や砂漠化防止条約などの国際条約が締結され、人口対策や開発援助の継続など、世界の国々が連帯して取り組んでいます。
しかし、世界の現状は冷戦終結後も依然として、民族や宗教の対立などから数多くの地域紛争が発生しています。また、地球規模の環境破壊、貧困、飢餓、差別、抑圧など生命と人間の基本的権利を脅かす多くの深刻な課題が存在します。
このような課題を解決し、恒久平和を実現するためには、民族や宗教の違いを乗り越えるとともに南北の経済格差を克服して、世界の国々が一層協調し、平和の創造と維持に取り組んでいくことが大切であります。
沖縄はかつて、琉球王国時代、「万国津梁」いわゆるアジアの国々をつなぐ架け橋として活躍した先人の足跡があり、また、多様なものを受け入れる寛容さや相互扶助の精神、未来を創造するたくましい県民性があります。
本県は、平和と命の尊さを永遠に伝えるため、沖縄戦などで亡くなられた全ての人々を刻銘する「平和の礎」を建立し、昨年は、戦争の悲惨な実相を伝えるとともに、平和の尊さを学習する場として新しく「沖縄県平和祈念資料館」を建設しました。
さらに、沖縄平和賞(仮称)を創設し、九州・沖縄サミットで発信した平和を希求する沖縄県民の思いを引き続き世界に発信し、国際平和の創造に貢献したいと念願しています。
この賞は、中立性、公平性を確保し、国内外から高く評価される県民の財産として、末永く続くものとしなければなりません。また、賞の運営を通じて平和への思いを全国に広げていきたいと思います。
私たちは、本県の持つ歴史的、文化的、地理的特性を生かし、広く世界に目を向けた幅広い視点に立って、アジア・太平洋地域の発展と、平和の実現に向けて努力していくことを誓います。
慰霊の日に当たり、戦没者のみ霊に心から哀悼の誠を捧げるとともに、沖縄が恒久平和の発信地として輝かしい未来の構築に向けて、一歩一歩着実に前進していく決意をここに宣言します。
平成13年6月23日
沖縄県知事 稲嶺惠一
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