沖縄県福祉サービス第三者評価事業評価結果 沖縄県立石嶺児童園

ページ番号1040245  更新日 2026年6月5日

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基本情報

1 事業所名:児童養護施設 沖縄県立石嶺児童園
2 経営主体:沖縄県
3 所在地:那覇市首里石嶺町4丁目394番地

第三者評価結果の概要

総評

特に評価の高い点

1 こどもと地域との交流を広げるための取組を行っている。

 地域との関わりについては、「入所児童を地域で見守り育てていく地域社会の実現を図る」を掲げている。石嶺地域福祉まつりやグラウンドゴルフ大会や伝統芸能(組踊)体験、那覇マラソン大会等にこどもが参加する際に職員が引率している。こどもたちはボランティア団体の清掃活動を一緒に行い、地域のサッカークラブ等と一緒に活動し、園庭で地域団体主催の流しそうめんに参加する等、地域の人々との日常的なコミュニケーションを大切にしている。地域の社会資源として、こどもが近隣のコンビニや薬局、理容店や美容室、学校、病院、こども園や放課後等デイサービスを活用している。施設長とこどもが地域巡りをして地域を知る取り組みもしている。給付型奨学金や県の事業であるまちなか留学等のポスターを寮に掲示して活用を推奨し、英語を学びたいとこども3名がホームステイ事業に日帰りで参加している。福祉ボランティア受け入れに関する要綱を定め、児童の学習支援や施設整備、施設外の活動支援等とし受け入れに関する基本姿勢を明記している。

2 学習・進学支援、進路支援等、及び支援の継続性とアフターケアが実施されている。

 こどもの意欲を尊重して学習場所を選択可能とし、受験生には個室を用意して学習習慣の定着を援助している。学校担任と連携して個々の学力を把握し、状況に応じて学習ボランティアや家庭教師、塾等の外部資源も活用している。学力に遅れがある場合には職員が基礎から教え直し、持ち物チェックリストの作成や前日の準備を共に行うことで、特性に応じた生活習慣の形成を支援している。障害を持つこどもには通級指導や特別支援学級への通学を支え、適切な教育機会を確保している。退所後の自立支援では、NPO法人と連携したリービングケアを計画的に実施している。施設内の訓練室を活用した1週間単位の自活訓練では、金銭管理や家事、戸締り等の技能習得を促している。今年度の卒園対象者5名に対し、自立支援担当職員は個別に情報提供を行い、こども自身によるスケジュール作成を支援している。現在は4名の大学進学が決定し、1名が就職活動を継続している。退所後は外部支援機関へ繋ぐとともに、担当職員が専用携帯を用いて近況を把握し、記録している。就労や居住先での困りごと、返済問題等の相談にも寮職員と連携して応じている。毎年1月には児童と職員のOB会(新春懇親会)を開催し、卒園児やその家族、在園児が交流できる場を設けている。

3 性に関する教育及び心理的ケアが必要なこどもに対して支援を行っている。

 心理士や寮職員を中心に男女の違いや性の多様性について学ぶ機会を設け、発達段階に応じた性教育を実施している。幼児から小学生低学年には絵本を用いてプライベートゾーンの大切さを伝え、小学生高学年から中学生には射精や生理、受胎のしくみを男女合同で行っている。高1には個別で心理士が性教育を行い、デートDVや性的同意、避妊、SNSの危険性等を教えている。また、生活場面では3ヶ月に1回(年4回)生活に沿った性教育チェックリストを行い、体の大切さや人との距離を教えている。心理的ケアにおいては、心理士を2名配置し、面接室を2カ所備えて心理療法を実施している。心理ケース会議にて毎月勉強会を行い、愛着形成や発達段階、トラウマやストレス反応等を実施してこども理解を深める支援を話し合っている。支援については、こどもの状態に合わせて他職種で支援計画を作成している。心理的ケアは心理士のみならず、職員相互で連携して環境調整やケアの関わりを行っている。

4 施設は家族との信頼関係づくりに取り組み、親子関係の再構築等のために家族への支援に積極的に取り組んでいる。

 担当職員と家庭支援専門相談員(FSW)は、こどもの生活や健康、面会、家族の困りごと等について相談を受け入れ、家族との信頼関係構築に努めている。FSWを家族支援の中核に据え、月に1回の検討会議を通じて家庭復帰の見通しや面会方針等の情報を職員間で共有している。面会や一時帰宅の際はこどもの意向を尊重し、児童相談所と連携しながら安全かつ無理のない形での関係再構築を目指している。帰宅後のこどもの様子を寮職員がさりげなく観察することで、不適切なかかわりの早期発見と組織的な対応を徹底している。学校や地域、施設の行事については、電話やメール、SNS等で家族に情報を発信し、積極的な参加を促している。心理的ケアを要する保護者に対しても、定期的な面談や電話連絡、家庭訪問を通して支援を行っている。こどもの成長を共有しながら、保護者の不安や悩みを共に理解し、適切な助言や支援を行っている。親子関係の再構築に向け、FSWが家族やこどもの状況を分析して見立てを行い、支援方針を明確にしている。具体的な支援として、FSWや心理士を中心にファミリーセラピーやペアレントトレーニングなどの専門的なプログラムを実践している。親子生活訓練室は面会交流室としても活用している。家庭復帰を目指す事案については家庭支援検討会議で、家庭の課題を共有した上で自立支援計画に目標を設定し、児童相談所等の関係機関と緊密に連携して取り組んでいる。

改善を求められる点

1 こどもの生活の質を高めるため寮内の居室等の整備が望まれる。

 家庭的で落ち着いた雰囲気を重視し、少人数養育を行う小規模グループを2か所設置している。居室は相部屋が中心で小学生は3人部屋もあるが、思春期以降や受験生には個室を提供している。私物は個人所有とし、共有スペースは当番制で清掃している。今後の課題は以下の通りである。

(1)相部屋であっても仕切りや家具の配置を工夫し、個人のプライバシーと「自分の居場所」を感じられる空間を確保すること。

(2)共有スペースをより清潔で家庭的な環境に整え、こどもが安心して過ごせるよう配慮すること。

(3)施設の老朽化に伴い、洗面所や浴室、トイレ等の設備修繕、落書きや塗装、什器の整備を計画的に進めること。

2 職員一人ひとりの育成に向けた、教育・研修に関する基本方針や計画を策定し実施が望まれる。

 施設として「期待する職員像」を明確に定め、人事評価シートを活用した個別面談の実施することになっている。事業計画には必要とされる専門技術や資格の一覧を明示している。研修計画に基づき、県外や県内の外部研修に加え、愛着形成や障害理解などの施設内研修を幅広く実施し、受講後には復命書を提出させている。各年度で研修項目の見直しも行っている。課題として、「期待する職員像」の達成に向けた目標確認のため、年2回の面接の実施が望まれる。また、研修計画等に「期待する職員像」を明記した上で、定期的に研修内容やカリキュラムの評価と見直しを行うことが望まれる。

3 養育・支援について標準的な実施方法の文書化が望まれる。

 標準的な実施方法について、日課表と生活指導確認要項や各種マニュアル、要綱、規程等を整備し、各寮へ設置し職員に周知している。業務概要にはこどもの尊重や権利擁護、プライバシー保護の姿勢を明示している。標準的な実施方法は寮会議や全体会議等で適正な実施方法について確認している。小遣い支給や靴の購入額に関する規定は適宜見直され、改定年月日が記載されている。課題として、こどもが整理整頓等の基本的生活習慣を身につけるための個別マニュアルの作成、及びプライバシー保護マニュアルや、服薬事故防止のための服薬管理マニュアルの整備も望まれる。

第三者評価結果に対する施設・事業所のコメント

 今回、第三者評価を受け石嶺児童園の現況の課題や展望が整理できたことが一番良かったと思いました。こどもをまん中に据えた支援の在り方を、日々の日常を大切に、こどもも職員も互いに切磋琢磨できる環境のなかで共に育ちあいができること、こどもたちが「ここで良かった」と感じられるようにチーム一丸となって取り組んでいきたいと思いました。

評価結果の詳細

第三者評価機関

特定非営利活動法人 介護と福祉の調査機関おきなわ

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このページに関するお問い合わせ

沖縄県 生活福祉部 福祉政策課
〒900-8570 沖縄県那覇市泉崎1-2-2
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