技術研修

ページ番号1035305  更新日 2025年12月10日

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研修募集

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1年間で全工程を学ぶことができます。

織物・紅型・漆芸・木工芸研修(4月~翌3月)

沖縄の伝統的な織物、紅型、琉球漆器、木工芸の4つの研修があります。既定のカリキュラムに基づき、製品設計~製品制作~仕上げに至るまでの全工程の技術が習得できます。研修は4月初旬から始まり、5日/週で実施します。研修生の募集は毎年12月中旬~翌1月中旬までとなっています。

 織物研修(技術経験者が対象)

目標 伝統織物の基本技術、応用技術を習得する。
講師 25年以上の沖縄織物技術、事業歴(または同等の技能)を有する熟練技術者
定員数 4名
研修期間 4月中旬~翌年3月中旬(※5日/週:火~土曜日、※日・月・祝日、慰霊の日、12/29~1/3は休み)
研修時間 9時15分~17時15分
場所 おきなわ工芸の杜内 織物共同工房(所在地:沖縄県豊見城市豊見城1114番1)

沖縄の伝統織物技法を学ぶ研修です。沖縄の植物を使った染色技術、絣(かすり)技術、紋織技術など各種技術による帯・着尺の制作を行います。またこれらの技術を十分に習得するための試染やサンプルづくりなど、研修終了後も活用できる情報・知識を習得することができます。

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沖縄の織物

琉球の時代から一般の人が身に着ける織物、中国や日本との交易用の精緻で優れた織物が作られてきました。現在、喜如嘉の芭蕉布、読谷山花織、知花花織、首里織、琉球絣、久米島紬、宮古上布、八重山上布、八重山ミンサー、与那国織など、各島々や地域毎に特色ある織物があり、日本で最も多い伝統的工芸織物があります。糸芭蕉、苧麻、絹、木綿などの糸素材、フクギやシャリンバイなど植物染料などの原材料と、沖縄の各島々や地域独自の技法を活かした風合い、意匠が大きな特徴です。長い歴史で培われてきた手仕事の素晴らしさを表す、沖縄の代表的な工芸品です。

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年間カリキュラム(224日)

1.伝統織物の知識(30日)
(1)糸(繊維):染料、顔料:天然繊維(絹、苧麻、芭蕉、木綿)、天然染料、合成染料に関する知識を習得する
(2)織道具:ふわり、座繰り、整径台など手道具に関する知識を習得する
(3)織組織:沖縄の伝統織物の特徴、県外他産地の織組織の概要に関する知識を習得する
(4)製品計画:組織表など、織物制作に要する工程計画を習得する

2.課題制作 伝統織物 (155日)
(1)帯(半幅、九寸):全通、六通、たいこ柄の課題について、沖縄の伝統織物技法である絣または紋織の技術を選択して制作する。
(2)着尺:総柄、小紋、絵羽の課題について、沖縄の伝統織物技法である絣または紋織の技術を選択して制作する。
 ・糸の扱い(絹、木綿、麻の精練、整経など)、染色(植物染料のデータシート作成、化学染料のデータシート作成。琉球藍建て、糸染め) ・経・緯絣(糸を染め分け、文様と柄を表現する技法。絵図式、手結式) ・紋織(経糸と緯糸の重なりで文様と柄を表現する技法。花織(両面浮き、緯浮き)、ロートン、グーシ花、手花、絽織)

3.選択制作 技術の応用(20日)
・ショール、のれん、ティサージ、ウエアなど、縫製二次加工を含むオリジナル作品を考え、制作を行う。

4.多様な知識習得(18日)
・座学(工芸概論、工芸とデザイン、伝統文様、マーケット) ・外部講師講習(琉球藍だて、絵羽、和裁、絣、スケッチ) ・専門講習(琉球、伝統織物の歴史、概況、工芸材料 製品評価、企画・表現) ・現地実習(原材料調査、文化施設など訪問) ・工房訪問(催事視察 織物組合、織物工房) ・交流(異分野工芸、レクリエーション)・展示企画(画像撮影、ディスプレイ、説明、中間報告会、成果展ほか)

年間カリキュラム

研修修了後は

設備と販路を整えて個人工房や作家として活動する、県内の織物事業所等で織物生産に従事する、主に2つの方向があります。前者については、「おきなわ工芸の杜」が実施している貸工房へ入居し、工房開設後の製品生産と販路開拓に関するフォローアップ支援を受けることができます。

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紅型研修(技術経験者が対象)

目標 古典びんがたの基本技術、応用技術を習得する。
講師 25年以上の紅型技術、事業歴(または同等の技能)を有する熟練技術者
定員数 4名
研修期間 4月中旬~翌年3月中旬(※5日/週:火~土曜日、※日・月・祝日、慰霊の日、12/29~1/3は休み)
研修時間 9時15分~17時15分
場所 おきなわ工芸の杜内 染色共同工房(所在地:沖縄県豊見城市豊見城1114番1)

「古典びんがた」の技法を学ぶ研修です。型紙作成から色差し、地染め、蒸し色止めなど各種工程による帯・着尺の制作を行います。またこれらの技術を十分に習得するための試染やサンプルづくりなど、研修終了後も活用できる情報・知識を習得することができます。

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琉球びんがた

18世紀中期には、びんがたの技法が完成していたとされています。インドや中国、日本などの諸外国の染色文化と影響しあいながら、琉球の時代に首里を中心として、型染めと筒引き技法による着物などが生産されてきました。多彩な色の染料・顔料をつかった「染地型」「白地型」による鮮やかなもの、琉球藍で染色した青色の「藍型」による落ち着いたもの、異なる2つの紅型があります。どちらも鶴や亀、桜や菖蒲など自然の風物を組み合わせた、大胆でおおらかな図案が特徴であり、南国沖縄の地域性と文化を表す染色工芸品です。

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年間カリキュラム(224日)

1.古典びんがたの知識(30日)
(1)染色材料、和装、伝統意匠など:染料・顔料、布地、古典文様の理解、扱いに関する知識を習得する。
(2)染め手工具:小刀、ヘラ、筒袋、刷毛、ルクジュー(型彫り台)など、手工具の手入れ、使用技術について習得する。
(3)型染、筒引き:図案の配置、型彫り、のり置き、染色(配色、二度刷り、隈取り)、蒸し・水元など染色の基本について習得する。
(4)製品計画、デザイン:スケッチ、工程表など、紅型制作に要する計画スキルを習得する。

2.課題制作 古典びんがた(155日)
(1)帯(半幅、九寸):全通、六通、たいこ柄の課題について、びんがたの技法である染地型または白地型技法で制作する。
(2)着尺:総柄、小紋、絵羽課題について、びんがたの技法である染地型または白地型技法で制作する。
・配色/サンプル(基本配色見本(サンプル/データづくり) ・古典文様による図案、工程計画 ・布地の準備(絹/麻/木綿)・型紙(型彫り/紗張り/つり落とし) ・染地型(型置き/地入れ、染色(配色/二度刷り/隈取り)、地染 、蒸し、水元、仕上げ) ・白地型(型置き、染色(配色/二度刷り/隈取り)、のり伏せ、地入れ、地染 、蒸し、水元、仕上げ)
(3)うちゅくい(風呂敷):筒引き、藍染め
・下描き、筒引き(のり置き)、豆引き ・配色、二度刷り、隈取り、琉球藍浸染 ・蒸し、水元、仕上げ

3.選択制作 技術の応用(20日)
・ショール、のれん、タペストリー、ウエアなど、縫製二次加工を含むオリジナル作品を考え、制作を行う。

4.多様な知識習得(18日)
・座学 工芸概論(工芸とデザイン、伝統文様、マーケット) ・外部講師講習(琉球藍だて、和裁、筒引き、スケッチ) ・専門講習(琉球、紅型の歴史、概況) ・工芸材料(製品評価、企画・表現) ・現地実習(原材料調査、文化施設など訪問) ・工房訪問(催事視察、紅型組合、紅型工房) ・交流(異分野工芸、レクリエーション) ・展示企画(画像撮影、ディスプレイ、説明、中間報告会、成果展ほか)

年間カリキュラム

研修修了後は

設備と販路を整えて個人工房や作家として活動する、県内の紅型事業所等で織物生産に従事する、主に2つの方向があります。前者については、「おきなわ工芸の杜」が実施している貸工房へ入居し、工房開設後の製品生産と販路開拓に関するフォローアップ支援を受けることができます。後者については紅型事業所からの求人依頼があれば随時に紹介をしています。

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漆芸研修

目標 琉球漆器の基本技術、応用技術を習得する。
講師 25年以上の琉球漆器技術、事業歴(または同等の技能)を有する熟練技術者
定員数 4名
研修期間 4月中旬~翌年3月中旬(※5日/週:火~土曜日、※日・月・祝日、慰霊の日、12/29~1/3は休み)
研修時間 9時15分~17時15分
場所 おきなわ工芸の杜内 漆芸共同工房(所在地:沖縄県豊見城市豊見城1114番1)

琉球漆器の技法を学ぶ研修です。木素地、麻、漆などの天然材料を使用し、下地、上漆塗り、各種加飾などの技術による塗椀や重箱などの制作を行います。またこれらの技術を十分に習得するための手板づくりなど、研修終了後も活用できる情報・知識を習得することができます。

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琉球漆器

14世紀頃には確立されていたと推定され、中国や日本本土への交易品として生産されていました。16世紀の薩摩の侵攻、明治の日本への併合などを経て、民間工房が一般向けに生産する現在の琉球漆器へ至っています。木地にはシタマキやデイゴ、下地には瓦地粉やニービなど沖縄産の素材が使われます。天然の本漆塗りの上に施す推錦(ついきん)、沈金(ちんきん)、螺鈿(らでん)による加飾技法による、沖縄らしさ、おおらかさ、大胆さを感じる表現が特徴です。近年ではアクセサリーなど装身具や首里城の塗装など、多様な用途に広がっています。

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年間カリキュラム(224日)

1.琉球漆器の知識(30日)
(1)本漆の特性理解、調整、乾燥:本漆の各種(生漆、黒漆、朱漆等)の取り扱い(調整、乾燥、保管)に関する知識を習得する。
(2)塗り手工具、治具:漆刷毛、塗師刀、木へらなど手工具の手入れ、各種の手工具の使用について習得する。
(3)漆塗り(髹漆)、琉球漆器加飾:漆器の基本である漆塗り(きゅうしつ)、その上に施す堆錦(ついきん)、沈金(ちんきん)、螺鈿(らでん)技法を習得する。
(4)製品計画、デザイン:スケッチ、工程表など、漆芸製品の制作に要する知識を習得する。

2.課題制作 漆芸技術(145日)
(1)丸物:木椀、盆などの円形器の製作。手回し、回転ろくろ等の道具を使い、下地つけ、漆塗り、研ぎの工程を行う。
・木地調整 ・下地(木固めなど) ・下地(布着せなど) ・下塗り、中塗り、研ぎ ・上塗り(塗りたて、呂色仕上げなど) ・作品に応じて琉球漆器加飾
(2)角物:文箱、重箱、多角皿など組物の製作。平面および入隅の下地つけ、漆塗り、研ぎに要する技術修得を行う。
・木地調整 ・下地(木固め、刻芋など) ・下地(さび付け、布着せなど) ・下塗り、中塗り、研ぎ ・上塗り(塗りたて、呂色仕上げなど) ・琉球漆器加飾(堆錦、沈金、螺鈿)
(3)乾漆:麻布や和紙などを使い、自由な形状の漆器を制作する。
・原型づくり(石膏) ・積層(麻布、麦漆、のり漆) ・脱型、仕上げ
(4)手板、壁面:首里城の壁面に使用さる桐油による広面積の技術修得を行う。
・素地調整~下地 ・下塗り~上塗り ・加飾(漆絵、箔絵など)

3.選択制作 技術の応用(30日)
・花器、文具、アクセサリーなど、オリジナル作品を考え、制作を行う。

4.多様な知識の習得(18日)
・座学(工芸概論、工芸とデザイン、伝統文様、マーケット、機械取扱・安全) ・外部講師講習(堆錦講習、沈金講習、螺鈿講習、スケッチ) ・専門講習(琉球、琉球漆器の歴史、概況) ・工芸材料(製品評価、企画・表現) ・現地実習(原材料調査、文化施設など訪問) ・工房訪問(催事視察 琉球漆器工房) ・交流(異分野工芸、レクリエーション) ・展示企画(画像撮影、ディスプレイ、説明中間報告会、成果展ほか)

年間カリキュラム

研修修了後は

設備と販路を整え、個人工房や作家として活動するのが主な方向です。「おきなわ工芸の杜」が実施している貸工房へ入居し、工房開設後の製品生産と販路開拓に関するフォローアップ支援を受けることができます。また近年は首里城の外壁塗装(漆塗、桐油塗)に多くの修了生が従事しています。

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木工芸研修

目標 沖縄産木材を使った木工芸の基本技術、応用技術を習得する。
講師 25年以上の沖縄の木工芸技術、事業歴(または同等の技能)を有する熟練技術者
定員数 4名
研修期間 4月中旬~翌年3月中旬(※5日/週:火~土曜日、※日・月・祝日、慰霊の日、12/29~1/3は休み)
研修時間 9時15分~17時15分
場所 おきなわ工芸の杜内 木工芸共同工房(所在地:沖縄県豊見城市豊見城1114番1)

木工芸の技法を学ぶ研修です。琉球松、イタジイなどの沖縄産木材を使用し、製品設計、木取、仕口加工、組立て、塗装技術により木皿、椅子、小箱などの制作を行います。加工の基本となる手鉋や鑿(のみ)の技術、治具づくりなど、研修終了後も活用できる情報・知識を習得することができます。

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沖縄の木工芸

沖縄産木材を使った伝統的な仏壇や三線、琉球漆器の椀や箱物の素地づくりの技法がルーツとなります。琉球から沖縄県となったこと、畳から椅子の生活様式になったこと、日用品としての需要が高まったことなどを機に、県外産木材の使用や加工技術が多様化しました。近年、これらの経緯を経てリュウキュウマツ、ガジュマル、オキナワウラジロガシなどの多様な沖縄産木材の特性と手仕事の価値が見直され、工芸技術を活かした製品が多く作られています。

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年間カリキュラム(224日)

1.木工芸の知識(30日)
(1)沖縄産木材の特性理解、乾燥、保管 :琉球松、ガジュマル、フクギなど沖縄産木材の取り扱い(選別、乾燥、保管)に関する知識を習得する。
(2)手工具・加工機械、治具 :手鉋(かんな)、鑿(のみ)など手工具の手入れ、各種の加工機械の使用と安全作業について習得する。
(3)接着・塗装: 本漆、植物オイルなど天然系、ウレタン、ラッカーなどの石油系材料に関する知識を習得する。
(4)製品計画、デザイン :スケッチ、製図、木取表、工程図など、木工品の制作に要する知識を習得する。

2.課題制作 木工芸技術(150日)
(1)挽物 :木皿、花器など、木工ろくろや旋盤による円形製品の製作。切削刃物の研ぎや、各種治具の使い方などを行う。
・樹種選別、木取り ・木工ろくろ加工(和式) ・木工旋盤加工(洋式) ・上記に使用する各種刃物の研ぎ、使用方法 ・ゲージ(型)、治具の使用方法
(2)脚物 :机、椅子など「脚」が付いた家具の製作。使用時の身体的な特徴と密接な関係性に留意し、曲線や非直角の加工などを行う。
・樹種選別、木取り ・機械加工(部材) ・墨付け、枘、仕口加工 ・手加工(鉋、のみ等による調整、仕上げ) ・板はぎ、接合、接着 ・天然オイル、ウレタン塗装、すり漆仕上げ
(3)箱物 :引出し、開戸など「収納」する家具の製作。組み手の正確さや、各部材の収まりの加工精度に留意し、直角や平面の基礎加工などを行う。
・樹種選別、木取り ・機械加工(部材) ・墨付け、枘、仕口加工 ・手加工(鉋、のみ等による調整、仕上げ) ・板はぎ、組立て、接着

3.選択制作 技術の応用(25日)
・花器、文具、アクセサリーなど、オリジナル作品を考え、制作を行う

4.多様な知識の習得(18日)
・座学 工芸概論(工芸とデザイン、伝統文様、マーケット、機械取扱・安全) ・外部講師講習(挽物講習、木彫講習、旋盤講習、スケッチ) ・専門講習(琉球、木工芸の歴史、概況) ・工芸材料(製品評価、企画・表現) ・現地実習(原材料調査、文化施設など訪問)・工房訪問(催事視察 木工芸工房、各種工芸イベント) ・交流(異分野工芸、レクリエーション) ・展示企画(画像撮影、ディスプレイ、説明、中間報告会、成果展ほか)

年間カリキュラム

研修修了後は

設備と販路を整えて個人工房や作家として活動する、県内の各種木製品を生産する木工所に従事するなど、主に2つの方向があります。前者については、「おきなわ工芸の杜」が実施している貸工房へ入居し、工房開設後の製品生産と販路開拓に関するフォローアップ支援を受けることができます。後者については、木工所からの求人依頼があれば随時に紹介をしています。

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このページに関するお問い合わせ

沖縄県 商工労働部 工芸振興センター
〒901-0241 沖縄県豊見城市字豊見城1114番1 おきなわ工芸の杜3階
電話:098-987-0380 ファクス:098-987-0381
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