令和6年5月15日 本土復帰記念日(5月15日)を迎えるにあたって 知事コメント

ページ番号1029258  更新日 2024年5月15日

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 沖縄は、先の大戦において、凄惨極まる地上戦により、20万人を超える尊い命が奪われ、文化遺産や豊かな自然が失われました。

 戦後は、27年間米軍の施政権下において、県民は耐えがたい苦難を経験し、長きにわたる復帰運動を経て、52年前の5月15日、本土復帰を果たしました。

 これまで6次にわたり振興計画等が策定され、本土との格差是正が図られてきましたが、離島の条件不利性や米軍基地問題などの固有の課題をはじめ、全国最下位の水準である一人当たり県民所得や、それを背景とした子どもの貧困問題など、依然として多くの課題が残されております。

 また、復帰後 52 年を経た現在もなお、広大な米軍基地の存在が沖縄県の振興を進める上で大きな障害となり、日常的に発生する航空機騒音をはじめ、自然環境の破壊、航空機事故のほか、米軍人・軍属等による事件・事故等が県民生活に様々な影響を及ぼしています。
 さらに、普天間飛行場の辺野古への移設について、県民の理解が得られないまま工事が強行されている状況にあります。

 沖縄を取り巻く社会・経済情勢は、コロナ禍の影響が和らぐなか、入域観光客数の増加など持ち直しの動きがみられますが、人手不足による需要の取りこぼしや、長引く物価上昇による家計の負担増、事業者の収益圧迫などが懸念されております。

 一方、世界情勢をみると、ロシアによるウクライナ侵攻が続く中、昨年10月にはイスラエルとパレスチナ武装勢力ハマスによる武力衝突が発生し、多数の一般市民に犠牲が生じるなど、憂慮すべき事態が続いています。

 東アジアにおいても、中国の軍事力の強化や尖閣諸島周辺海域等における活動の継続、台湾を巡る問題、北朝鮮のミサイル発射問題など、安全保障環境がより一層厳しさを増しています。

 このような中、他国との地域間交流等により友好的なつながりを持つことは、両国間の緊張緩和と信頼関係の構築に寄与するものであり、平和の樹立があってこそ安定的な経済活動の推進に繋がるものと考えております。

 そのため沖縄県は、新時代を切り拓き、世界の平和構築や相互発展、国際的課題の解決に貢献する「21世紀の万国津梁」 を実現するため、「沖縄県地域外交基本方針」を策定したところであり、独自の地域外交の取組を強化・推進していきます。

 また、平和を希求する先人達の思いを引き継ぎ、未来を生きる子や孫達のためによりよい未来を創造するため、本土復帰50年目の節目に策定した「平和で豊かな沖縄の実現に向けた新たな建議書」に込めた全ての願いを叶えられるよう取り組んでまいります。

 そして、「新・沖縄21世紀ビジョン基本計画」に掲げた取組を加速させ、計画を着実に推進し、未来を生きる子や孫達のためによりよい未来を創造するため、全身全霊で取り組んでまいります。

 令和6年5月15日
 沖縄県知事 玉城 デニー

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