令和8年第1回沖縄県議会(Ⅱ令和8年度の主な施策について)

ページ番号1038392  更新日 2026年2月18日

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Ⅱ 令和8年度の主な施策について

 続いて、沖縄を取り巻く現状認識について申し上げます。

 世界の景気は、一部の地域において弱さがみられるものの、緩やかな持ち直しが続いています。
 我が国の経済は、米国の通商政策による影響が自動車産業を中心にみられるものの、緩やかに回復しております。
 本県経済は、観光需要の増加が続き、個人消費も増加していることから、拡大基調にありますが、長引く人手不足や、物価高が個人消費に及ぼす影響に加え、国際情勢が県経済に及ぼす影響に引き続き十分注意する必要があります。
 このような状況を踏まえ、県としては、引き続き、国と連携しながら、人手不足や物価高に対し、家計の負担軽減や事業者への支援等を行い、県民生活・県経済への影響緩和を図ります。また、少子化対策等により人口減少のペースを緩和させつつ、持続可能な社会を維持していくための取組を推進します。

 令和8年度は、「新・沖縄21世紀ビジョン基本計画」の折り返しを迎えることから、同計画の後半5年に向けて沖縄振興を更に加速していくことが求められる重要な年となります。
 「沖縄21世紀ビジョン」に掲げる将来像の実現に向け、引き続き、各種施策を着実に推進するとともに、これまでの取組の成果や課題等を踏まえ、市町村、経済団体をはじめとする県内各界各層の意見を伺いながら計画の見直しを行います。
 SDGsについては、令和8年度にSDGsの目標達成に向けた取組の加速化を図ることを目的に、「自発的自治体レビュー(VLR)」を国連へ提出し、国内外へ広く発信してまいります。引き続き、SDGs達成への貢献と地域課題の解決に向けた施策の一層の充実強化を図ります。

 次に、令和8年度に取り組んでいく主な施策について、御説明申し上げます。

 第1は、「経済分野」に関して―新時代沖縄の到来の視点―であります。
 まず、企業の「稼ぐ力」の強化と産業の振興について申し上げます。

 県民所得の着実な向上を図るためには、企業の稼ぐ力の強化等による持続的な成長型経済への移行を見据えた取組を進め、成長と分配の好循環を実現することが重要であり、「おきなわブランド戦略」に基づく、農林水産・商工・観光分野の連携を促進します。
 また、中小企業の経営革新の支援や、デジタル化の推進、賃上げや生産性向上等に向けた資金繰り支援等を通じた収益力の向上や経営基盤の強化を図るとともに、リゾテックおきなわの推進により産業DXを加速させるほか、官民連携で開催する国際IT見本市等を通じて、他産業とのビジネス交流機会を創出します。
 情報通信産業については、商品・サービスの高付加価値化や生成AIの活用等に向けたIT人材の育成等を促進することにより、生産性の高い産業構造への転換を図ります。
 テストベッド・アイランドの形成に向けて、観光やヘルスケア、農業など幅広い分野における新技術等の実証実験を支援するとともに、企業間の連携等によるオープンイノベーションの取組を支援することで、新たなビジネスの創出や地域課題の解決につなげます。
 また、沖縄の強みや「NEXTグローバル拠点都市」の優位性を活かし、スタートアップ人材の育成、資金調達環境の整備、海外連携の取組強化などにより、世界のエコシステムとつながり、相互に発展する「アジア有数のスタートアップハブ」を目指します。
 イノベーション・エコシステムの構築に向け、県内大学等による先端医療を含む幅広い分野の産学連携共同研究等への支援や、その研究成果の企業への技術移転の促進に取り組みます。
 ものづくり産業については、付加価値の高い製品開発、生産性の向上、受発注の促進に取り組むことで、域内自給率の向上につなげます。泡盛製造業については、「伝統的酒造り」がユネスコ無形文化遺産に登録されたことも活かし、業界が行う自立に向けた取組を引き続き支援します。バイオ産業分野では、産学官金の連携の下、事業化支援や人材確保に取り組みます。工芸産業分野では、販路開拓支援等に加え、首里城正殿の工芸技術を紹介する催事を県内外で開催します。
 県産品の販路拡大については、高付加価値化や新規市場の開拓に向けた支援などを通じて、グローバル市場への展開を戦略的に推進します。
 国際物流拠点の形成に向けて、那覇空港の地理的優位性を活用した物流機能の強化に取り組むとともに、高付加価値製品を製造する企業など戦略的な臨空・臨港型産業の集積を促進します。
 また、航空機整備施設の拡張に向けた取組を進めるとともに、航空機整備に付随する関連産業の誘致等により航空関連産業クラスターの形成に取り組みます。

 世界から選ばれる持続可能な観光地の形成について申し上げます。
 持続可能な観光に向けて、県民・事業者・旅行者の三者協働による、都道府県では全国初の「沖縄サステナブルツーリズム宣言」を発出し、地域の観光諸課題解決や地域経済の好循環等、「観光があることで、地域がさらに豊かになる仕組み」を目指します。
 また、高付加価値な観光資源開発を支援し、ラグジュアリー層インバウンドを取り込むとともに、小規模離島周遊のクルーズなど、多彩で質の高い観光を推進します。
 受入体制の強化を図るため、観光人材の育成・確保、観光地間を結ぶバスへの支援、観光2次交通結節点の実証事業、災害時等における観光危機対策などに取り組みます。
 宿泊税については令和8年度中の導入を見据え、新たな基金の設置や宿泊事業者システム改修支援、制度の周知広報に取り組むとともに、引き続き、活用事業の検討、事業効果検証等に係る体制構築に向けて取り組みます。
 過去の国際大会の開催で得たノウハウやレガシーを活用したセーリングの「2026 テーザー級世界選手権国頭大会」等の開催支援や、沖縄らしいスポーツコンベンションの推進に取り組むとともに、Jリーグ規格スタジアムの整備については、入札公告に向けた手続きを進め、令和13 年度の供用開始を目指します。
 大型MICE施設整備については、再公告に向けた手続きを進めるとともに、マリンタウンMICEエリアの形成に取り組みます。
 令和16 年開催の国民スポーツ大会・全国パラスポーツ大会に向け、会場地市町村の選定、県有競技施設の整備、競技力向上等に向けた取組を進めます。
 ラーケーション制度については、令和7年度からの県立学校での試行導入を踏まえ、全県的な展開も見据えて取り組みます。

 農林水産業の振興について申し上げます。
 本県の特性を最大限に生かした持続可能な農林水産業の実現に向け、多様なニーズや気候変動に対応した新品目・品種、生産技術等の開発・普及、おきなわブランドの確立、さとうきびの生産性向上、輸送コスト低減や販路拡大・高付加価値化等による域外所得獲得に取り組みます。
 また、セグロウリミバエの早期終息に向けた取組など特殊病害虫等対策を強化するとともに、担い手対策や家畜伝染病対策の強化、スマート農林水産技術の開発と普及、地産地消の推進、農山漁村地域での各種ツーリズム支援、基盤整備・強靱化対策等を推進し、生産性・収益性向上に取り組みます。
 畜産業については、生産基盤強化や獣医師確保、飼料自給率向上等による経営安定化などに取り組みます。
 林業については、自然環境に配慮した森林施業、県産きのこ類の生産・消費の拡大、担い手の育成・確保など、持続可能な林業の推進に取り組みます。
 水産業については、資源管理型漁業や陸上養殖を含めた沖縄型のつくり育てる漁業を推進します。
 また、引き続き、日台漁業取決め及び日中漁業協定の見直しを求めるとともに、地域外交の一環としてパラオ共和国等との水産技術交流等を着実に進めます。

 働きやすい環境づくりと多様な人材の活躍促進について申し上げます。
 ワーク・ライフ・バランスの促進など、働きやすい環境づくりに取り組むとともに、県内企業の稼ぐ力の強化とあわせ、積極的な人材投資を促進します。そのため、所得向上につながる正規雇用化支援や奨学金返還支援に取り組むほか、人材育成企業認証制度や所得向上応援企業認証制度の普及拡大を図ります。
 人材育成については、職業能力開発校などにおいて地域産業を支える人材を育成するとともに、企業が行う社員研修などリスキリングの取組を支援します。
 また、「人手不足対策アクションプラン」に基づき、若年者、女性、高齢者、障害者など多様な人材の活躍促進に加え、UIJターン及び外国人等の新たな人材の確保に取り組むとともに、関係機関と連携し、就労支援のネットワーク強化を図ります。
 教育分野においては、創造性・国際性に富む人材を育成するため、外国語・国際理解教育、情報・科学技術・理数教育の推進に取り組みます。

 自立的発展の実現に向けた基盤整備について申し上げます。
 「沖縄県DX推進計画」に基づき、県民サービスの利便性向上や業務効率化に向けて、生成AI等の先端技術や外部の知見を活用し、生活、産業、行政の全分野においてDXを推進します。併せて、職員のデジタルリテラシー向上やデジタル人材の育成に取り組みます。
 PPP/PFIの更なる推進を図るため、部局横断的なマトリックス組織を総括する「PPP/PFI事業推進室(仮称)」を新たに設置し、事業担当課との共創・協働により、各事業を着実に進推します。
 交通施策の推進に当たっては、まちづくり、基地跡地利用、物流、運輸、観光等の連携を強化する必要があり、交通施策に関する各種計画を一元的に集約し、総合的な企画・調整を担うとともに、効果的なプロジェクト創出や新たな組織体制の検討を行うため、新たに「交通戦略推進課(仮称)」を設置します。
 また、過度な自家用車利用から公共交通利用への転換を図るため、沖縄都市モノレール3両車両の追加導入及び新車両基地の整備に取り組むとともに、基幹バスシステムの導入及び利便性向上や交通結節点の整備促進を図ります。
 さらに、交通結節点や地域拠点を円滑に移動するための地域循環バス等の検討や、学生、高齢者等の交通困難者を対象としてバス・モノレールの利用を促進する実証事業の実施、交通事業者の運転手等の確保支援などに取り組みます。
 主要渋滞箇所における渋滞ボトルネック対策を推進するとともに、引き続き、国と連携してハシゴ道路ネットワークの構築に取り組みます。
 那覇港については、新港ふ頭地区の整備促進や浦添ふ頭地区の早期整備に向け、沖縄県の持続可能な発展の推進力となるみなとづくりに取り組みます。
 中城湾港については、新港地区の港湾機能の強化・拡充、泡瀬地区のスポーツコンベンション拠点の形成などに向けた整備に取り組みます。
 また、防災面での機能も併せた電線共同溝により、無電柱化を推進するとともに、街路樹等の適正管理及び官民連携を推進し、良好な沿道景観の創出に取り組みます。
 特定利用空港・港湾に関しては、民生利用を主とするものであるため、その整備や既存事業の促進は、費用対効果分析等を行った上で、空港・港湾整備事業の既存制度で実施するものであることから、既に指定された他道県の整備の状況等を注視し、適切に対応します。
 県土の均衡ある持続可能な発展に向けた「沖縄県東海岸サンライズベルト構想」については、関係市町村等との意見交換を踏まえ、新・基本計画の中間見直しに反映するなど、本島東海岸地域の特性や豊かな歴史・文化資源、自然環境などの強みを最大限に生かした各種取組を推進します。

 第2は、「平和分野」に関して―誇りある豊かさの視点―であります。
 まず、米軍基地から派生する諸問題の解決と駐留軍用地の跡地利用について申し上げます。
 国土面積の約0.6 パーセントに過ぎない本県に在日米軍専用施設面積の約70.3 パーセントが集中するなど、沖縄県民は過重な基地負担を強いられ続けています。
 普天間飛行場、嘉手納飛行場やその他の訓練場の周辺住民は、即応訓練などの通常とは異なる訓練を含めた昼夜を問わない訓練等により、騒音などに苦しめられ続けており、周辺における監視測定等を実施するとともに、日米両政府に対して騒音の軽減を強く求めてまいります。
 また、米軍基地周辺の河川や湧水等から高濃度のPFOS等が検出されており、米軍基地が主な汚染源である蓋然性が高いことから、引き続き、情報の提供、基地内への立入調査、国及び米軍による原因究明調査と対策の実施のほか、環境保全に関する国内法の適用、環境条項の新設など日米地位協定の抜本的な見直しを求めてまいります。沖縄のPFOS等問題の深刻さと対策の必要性については、国連特別報告者により、国連総会において国際社会に訴えられているところです。
 また、米軍人等による刑法犯について、令和7年の検挙件数は過去20 年で最多となった令和6年を上回り、特に令和5年12 月以降、米軍人による女性への性的暴行事件が次々に発覚し、県民に大きな不安を与えています。
 このような凶悪な犯罪が跡を絶たない背景には、日米地位協定によって守られているとの認識が米軍人等の根底にあると言わざるを得ないと考えております。米国側に裁量を委ねる形となる運用改善では不十分であり、同協定の抜本的な見直しが不可欠です。
 県としては、県民の目に見える形で基地負担の軽減がなされるよう、引き続き、軍転協や全国知事会、渉外知事会等とも連携し、あらゆる機会を通じ、政府に対し強く求めてまいります。
 在沖米海兵隊のグアム移転については、具体的な移転スケジュール等が示されていないことから、引き続き政府に対し、明確な移転計画の説明及び一日も早い移転の完了を求めてまいります。
 普天間飛行場については、引き続き、普天間飛行場負担軽減推進会議等において、同飛行場の速やかな運用停止を含む一日も早い危険性の除去、県外、国外移設及び早期閉鎖・返還を日米両政府に求めてまいります。
 一方、政府が唯一の解決策とする普天間飛行場の辺野古移設について、これに反対する県民の民意が、過去3回の知事選挙や県民投票において圧倒的多数で明確に繰り返し示されたことは、極めて重いものであります。
 さらに、軟弱地盤の存在が判明し、令和6年1月を起点として提供手続の完了までに約12 年を要するとされていますが、工事の進捗等を踏まえると、更なる工期の延伸も懸念されており、全体の見通しが立たないにもかかわらず、政府は、昨年11 月28 日、生物多様性が極めて高く貴重な自然環境を有する大浦湾側の新たな区域への土砂の投入を開始するなど、県民の民意を一顧だにせず工事を強行しています。
 辺野古移設では、普天間飛行場の一日も早い危険性の除去にはつながらないと考えており、引き続き、政府に対し対話により解決策を求める民主主義の姿勢を粘り強く訴えるとともに、トークキャラバン等を通じ、辺野古新基地建設に反対する県民世論及びそれを踏まえた私の考えを広く国内外に伝え、問題解決に向けた国民的議論を喚起し、理解と協力を促してまいります。
 また、法定受託事務について、地方公共団体が自ら責任を持って行った処分を国が裁決で取り消す「裁定的関与」を認めている現行の法制度は公平・公正なものとは言えず、憲法に定める地方自治の本旨をも形骸化させる重大な問題を生じさせていることから、全国知事会と連携し、地方自治法等の改正による「裁定的関与」の見直しを国に対して強く求めてまいります。
 沖縄の基地問題の解決を図るためには、日本政府のみならず、一方の当事者である米国政府に対しても沖縄県自らが直接訴えることが重要であると考えております。
 これまでも、訪米活動やワシントン駐在の活動等を通じて、普天間飛行場の現状と辺野古新基地建設の技術的課題をはじめ、米軍基地周辺のPFOS等の問題、米軍人軍属による事件・事故の発生状況などを説明してきたところであり、昨年の米国連邦議会において、沖縄における軍人による犯罪防止策等についての勧告がなされるなど、議論に影響を与えたことは大きな成果であると考えております。
 今後も、私が適切な時期に訪米し、連邦議会関係者や米国政府関係者、有識者等のキーパーソンとの意見交換を通じて、基地問題の解決につなげてまいりたいと考えております。
 米国における職員の駐在については、基地問題に係る情報収集、情報発信、ネットワークの維持、構築はもとより、観光等の情報発信や在米県人会等との連携にも重要な役割を果たしてまいりました。今後、基地問題のみならず経済・観光・文化、ウチナーネットワークの継承・発展、南米における取組との連携等、幅広い分野での活動に向けて、高い透明性を前提に新たな体制を構築してまいります。
 多様な発展可能性が潜在する返還予定地については、関係市町村等と連携し、県土構造の再編につながる跡地利用に向けた取組を推進します。
 尖閣諸島を巡る問題については、中国海警船の接続水域における年間航行日数が昨年、過去最多を記録するなど、我が国の領土・主権を侵害しかねない行為が頻繁に生じております。
 昨年10 月の日中首脳会談においては、高市総理から尖閣諸島を巡る情勢等について深刻な懸念を伝えるとともに、両国の「建設的かつ安定的な関係」の構築という方向性が改めて確認されているところであり、県としては、引き続き、日本政府に対し、冷静かつ平和的な外交・対話を通じて関係改善を図ること等を求めてまいります。

 地域外交の推進について申し上げます。
 令和8年度は、北東アジア地域自治体連合(NEAR)への正式加入を見据え、関連する国際会議等の誘致など、より効果的な連携に取り組むとともに、中国福建省との友好県省、米国ハワイ州との姉妹提携や、韓国済州特別自治道との友好協力都市協定、パラオ共和国とのMOUなどに基づく相互交流、そして県の海外事務所の更なる活用によりアジア・太平洋地域との連携を促進してまいります。
 さらに、市町村や民間団体等との協働により様々な分野における国際的な取組を促進するとともに、JICAをはじめとする支援機関との連携により、太平洋島しょ国・地域への国際協力や南米等のウチナーネットワークを活用した取組を推進します。
 加えて、外務省や駐日外国公館と連携した取組を進めるとともに、国連やASEANなどの国際機関との関係構築を図ることにより、国際社会における沖縄のプレゼンスを高め、国際機関や国際会議の誘致等につなげることを目指します。
 併せて、沖縄県が主導する国際会議「万国津梁フォーラム」を開催し、国内外から有識者を迎え、地域の安全保障や軍縮、海洋問題、災害支援、そして環境や医療、人権問題等の人間の安全保障などに関する議論を通して、県民の理解と認識の向上を図り、沖縄が対話の場となるよう取り組みます。

 平和を希求する「沖縄のこころ」の発信と継承について申し上げます。
 戦後90 年、100 年を見据えた長期的な視点に立ち、「恒久平和に貢献する沖縄ビジョン(仮称)」について本年6月を目途に策定し、併せて、同ビジョンの実現に必要な財源として、新たな基金の設置に取り組むとともに、世界の恒久平和に貢献するため、「国際平和研究機構(仮称)」の創設に向けた取組、戦争遺跡群の保存・活用、核軍縮及び核兵器廃絶の取組を強力に推進してまいります。
 非核三原則について、世界で唯一の戦争被爆国である我が国は、引き続き堅持するとともに、国際社会を主導する役割を果たすべきであると考えております。
 県としては、平成7年に「非核・平和沖縄県宣言」を行い、全ての核兵器の製造・実験等に反対してきたところであり、令和8年中にはグローバル・アライアンスに参加し、広島・長崎と連携しながら、その理念を国際社会に訴えてまいります。
 また、沖縄戦の実相と教訓を正しく次世代に伝えていくため、平和学習の充実、次世代へ語り継ぐ担い手の育成・確保等の取組を推進するとともに、平和祈念資料館の展示更新に向けた取組を進めてまいります。
 さらに、第32軍司令部壕については、戦争の不条理さ、残酷さ、平和の尊さを次世代に伝える「物言わぬ語り部」として、その保存・公開に向けた取組を着実に進めてまいります。

 ウチナーネットワークの継承・発展・強化、多文化共生社会の構築について申し上げます。
 国内外のウチナーンチュとの交流や人材育成の取組によりウチナーネットワークを強化するとともに、「沖縄県南米駐在事務所(仮称)」の設置、中南米沖縄県人会サミットの開催、ブラジル沖縄県人会創立100 周年及び沖縄県人ペルー移住120 周年記念式典事業等の取組を通じて、令和9年度に開催する「第8回世界のウチナーンチュ大会」の成功につなげます。
 また、多文化共生アクションプランの策定を進め、県民と在住外国人が共に住みやすい地域づくりや異文化・国際理解の相互促進等に取り組みます。

 心豊かで、安全・安心に暮らせる島づくりについて申し上げます。
 全ての県民の尊厳を等しく守り、互いに尊重し合う共生の社会を目指し、パートナーシップ・ファミリーシップ制度の普及啓発に努め、多様な性の尊重や不当な差別のない社会の形成に関する施策を推進します。
 女性があらゆる分野で活躍できる社会づくりのため、女性のスキルアップや、ジェンダー平等の意識啓発等の取組を推進するとともに、第7次男女共同参画計画の策定に向け取り組みます。
 DVや性暴力、国際的な家庭問題等、困難な問題を抱える女性に対して、民間団体とも連携の上、切れ目のない支援を実施するなど、自立に向けた取組を推進します。
 犯罪被害者等を支援するため、見舞金の支給や多機関ワンストップサービスなどの各種施策の推進に取り組むとともに、消費者啓発・教育の推進、市町村の消費生活相談体制の充実に取り組みます。
 多様化し、深刻さを増す特殊詐欺やサイバー空間の脅威等に対処し、社会の変化に対応する警察基盤を構築するほか、交通事故のない沖縄県を目指し、関係機関と協力して交通ルール・マナーの遵守及び飲酒運転根絶の取組を推進します。
 また、DV・ストーカー・虐待事案の未然防止や水難事故防止対策など、部門横断的な取組を推進するほか、「ちゅらさん運動」に基づく犯罪抑止対策に取り組みます。
 加えて、水難事故防止に向けた取組としては、WEBやSNS、空港等で海の危険性及び正しい知識の周知啓発を図るほか、引き続き、自然海岸の巡回を強化します。
 また、災害を未然に防止するための河川の浚渫や道路の予防保全に取り組むとともに、迅速な応急対応ができるよう体制整備に取り組みます。
 防災対策については、過去の震災の教訓や、災害が激甚化、頻発化している傾向も踏まえ、市町村、国及びその他防災関係機関と密に連携するなど、危機事象発生時及び災害時の体制強化を図ります。
 様々な危機事象に迅速かつ的確に対応し、県民の生命、身体及び財産の保護並びに生活の安全の確保ができるよう、災害対策本部機能を備えた「防災危機管理センター棟(仮称)」を整備するとともに、防災通信の根幹となる沖縄県総合行政情報通信ネットワークを次世代の通信基盤として更新します。
 災害への即応体制を整えるため、防災行動計画(タイムライン)の検証と改善を進めるほか、消防防災ヘリの導入に向け取り組みます。
 戦後80 年以上経ても、今なお残る戦後処理問題については、不発弾処理及び所有者不明土地問題の早期の抜本的解決に向け取り組むほか、戦没者の遺骨収集については、戦没者遺骨収集情報センターを拠点として遺骨収集の加速化を図るとともに、国と連携し、事業の推進を図ります。

 第3は「生活分野」に関して―沖縄らしい優しい社会の構築の視点―であります。
 まずは、子育て支援・福祉サービスの充実について申し上げます。
 「沖縄県こども・若者計画」の基本理念である、社会の一番の宝である沖縄のこどもたちが、生き生きと暮らせる「誰一人取り残さないこどもまんなか社会」の実現を目指すため、「沖縄県こども・若者施策推進基金(仮称)」を設置し、こどもの貧困解消を含む、こども・子育て施策を全庁体制で力強く推進してまいります。
 また、こども・若者の社会参画の促進や、こどもの意見形成支援等を行うアドボケイトの育成等による意見表明の機会充実に取り組むとともに、こども基本法の理念に基づく「沖縄県こどもの権利条例(仮称)」を制定し、こどもの権利が侵害された場合の救済機関の設置に向け取り組みます。
 家庭の経済状況によって、こどもたちの学びや体験に格差が生じないよう「沖縄こどもの未来県民会議」と連携して、児童養護施設退所者等への給付型奨学金や、新たな体験メニューの創出、食品等の安定供給体制整備に取り組むほか、学習支援を行う無料塾や、放課後児童クラブの設置促進など、こどもの居場所づくりに取り組みます。
 こどもの最善の利益を念頭に、児童虐待防止に向けた取組を推進するとともに、児童相談業務のICT化等更なる体制強化、ヤングケアラーの支援に取り組むほか、里親支援センターとの連携による里親委託の推進と支援の充実、社会的養護経験者の自立支援等に取り組みます。
 全てのこどもの健やかな育ちと子育てを支えるため、乳幼児期における質の高い教育・保育の提供や、子育て世帯のニーズや地域の実情に応じた多様な子育てサービスの提供に取り組むとともに、新たに若年ひとり親家庭の生活・就労等を一体的に支援する拠点を設けるなど、ひとり親家庭等に対する生活の安定と自立に向けた取組を推進します。
 若年妊産婦等に切れ目なく支援を行うための居場所の設置や、こども家庭センターの設置促進のほか、関係機関と連携し、不登校、ひきこもり、ニート、発達障害等社会生活を営む上での困難を有するこども・若者やその家族等に対する多角的な支援に取り組みます。
 待機児童の解消に向けて、保育士等の処遇や負担軽減などの労働環境等の改善に取り組むとともに、認可外保育施設を含めた幼児教育・保育の安全確保と質の向上に取り組みます。
 多職種の専門家で構成される「こども・若者自殺危機対応チーム」を活用し、学校など地域の支援機関への助言等に取り組み、自殺対策を強化します。
 また、非行防止活動や立ち直り支援により、少年の健全育成に取り組みます。
 地域住民の抱える課題が複雑化・複合化する中、従来の支援体制では対応が難しい狭間のニーズに対応するため、市町村と共に地域共生社会の実現に向けた属性を問わない包括的な支援体制の構築支援に取り組みます。
 地域包括ケアシステムの深化を加速するため、新たに設置する「沖縄県地域連携高齢者支援基金(仮称)」を活用し、多様な主体が連携・協働した高齢者へのサービス・活動の創出を促進するとともに、引き続き、認知症施策、特別養護老人ホーム等の整備、人材確保や生産性向上の支援など介護サービス等の充実に取り組みます。
 障害のある人が安心して暮らし地域社会に参画していくために、障害のある人に対する県民理解の促進や障害者スポーツ、芸術文化活動等を通じた自立と社会参加の促進、テクノロジーを活用した障害福祉サービスの質の向上等に取り組みます。

 医療の充実・健康福祉社会の実現について申し上げます。
 医療の提供体制の充実・確保に向けては、地域で必要な医療ニーズ等を踏まえ、地域医療連携体制の強化などに取り組むとともに、北部、離島地域の医師確保及び医師の診療科偏在の解消、看護師等の確保と資質向上などに取り組みます。
 薬剤師確保については、奨学金返還助成等による県内就職を推進するとともに、県内国公立大学への薬学部設置の実現に向け取り組みます。
 北部地域については、公立沖縄北部医療センター整備工事及び開院準備等に取り組み、離島地域については、琉球大学医学部地域枠医師及び代診医派遣の強化、離島診療所への専門医巡回診療や遠隔医療の活用促進などによる医療提供体制の確保、離島患者の経済的負担の軽減などに取り組みます。
 県立病院については、県民に必要とされる医療を継続して提供していくため、DX推進を含め、経営再建に向けた取組を着実に実施します。また、県立中部病院の建替については、経営状況を勘案しつつ、将来構想に基づき、機能強化に向けた基本計画の策定に取り組みます。
 感染症対策については、将来の新興感染症等の発生に備え、医療機関等との協定締結による医療提供体制の確保や「沖縄県業務継続計画(新型インフルエンザ等対策編)」に基づく取組を強化するとともに、普及啓発や予防接種率の向上、結核まん延防止等のほか、HIV/AIDSを含む性感染症対策に係る計画の作成に取り組みます。
 働き盛り世代の健康状態の改善に向け、健康経営をより一層推進し、本県の課題である高血圧対策に取り組むとともに、沖縄県口腔保健支援センターの運営や特別支援学校でモデル的にむし歯予防に取り組む等、歯科口腔保健対策の強化を図り、県民一人ひとりが健康的な生活習慣を実践できる環境整備に取り組みます。

 生活基盤及び生活環境の充実・強化について申し上げます。
 水道水の安定供給については、県及び市町村の老朽化した水道施設の更新や耐震化を着実に推進するとともに、本島周辺離島8村の水道広域化や災害時における応急給水体制の強化に取り組むほか、令和8年度においても県民負担の軽減を図るため、水道料金の減免に取り組みます。
 また、持続可能な下水道サービスの提供に向けて、引き続き、施設の老朽化・耐震化対策、浸水対策、汚泥等の活用、広域化・共同化及び公民連携を推進します。
 県営住宅の計画的な建替え等の推進、高齢者・子育て世帯など住宅確保要配慮者の居住の安定確保等に取り組みます。
 災害時の避難場所、緑と触れあう憩いの場、レクリエーション活動の場としての都市公園整備を推進します。

 離島・過疎地域の持続可能な地域づくりについて申し上げます。
 離島地域においては、持続可能な地域社会を実現するため、離島住民の交通コストの負担軽減や不足する離島航路の船員確保のほか、防災体制の強化、医療体制の充実・確保、給油所等の維持存続、住民の買物環境改善、住宅整備コストの負担軽減等、定住条件の整備に取り組みます。
 また、離島の資源と魅力を生かした産業振興を図るため、離島特産品の販路拡大、離島訪問の促進、拠点整備によるテレワーク業務の高付加価値化等に取り組みます。
 さらに、離島・過疎地域の活性化を図るため、児童の離島体験交流等による関係人口の創出・拡大に取り組むとともに、人口の維持・増加を図るため、移住・定住の促進に取り組むほか、移住者・若者向け住宅確保へ向けて空き家活用に取り組む町村を支援します。
 加えて、公共交通等の維持・確保に向け、自動運転技術の社会実装に取り組むほか、給油所が少ないなどの離島・過疎地域の課題解決及び運輸部門の二酸化炭素排出量削減に向けて、電動車への転換促進に取り組みます。
 離島町村等における持続可能な行政サービスの提供体制の構築に向けては、事務の見直しに関する支援に取り組むとともに、離島町村役場の事務の一部を本島内で共同処理する「離島町村総合事務センター(仮称)」の県・離島町村での共同設置や新たな人材確保策など、具体的な対応方策に取り組みます。
 離島航空路の確保と維持に向け、空港施設の計画的な更新整備と機能向上に取り組むほか、離島港湾の機能の強化と拡充に向け、海上交通の安全性・安定性の確保や利便性の向上などに取り組みます。
 伊平屋空港については、整備に向けた課題解決に取り組んでまいります。
 また、空港、港湾等の交通拠点を相互に連結させ、防災・減災・国土強靭化に資する道路整備に取り組みます。

 世界に誇る自然環境・生物多様性の保全・継承について申し上げます。
 環境分野においては、世界自然遺産地域の保全と利用の両立を図るための適正管理を推進し、沖縄の豊かな自然の恵みを継承する、持続可能な循環共生社会の実現を目指します。
 本県の自然環境の保全・継承を図るため、希少野生動植物の保護対策や外来種対策の推進、赤土等流出防止に係る総合対策の更なる推進等に取り組むとともに、動物の愛護及び管理に関する条例に基づき、人と動物が共生する社会の実現のための取組を充実・強化します。
 また、北部地域の水源かん養機能の維持や環境保全、地域振興などやんばるの森・いのちの水を守る取組を推進します。
 脱炭素島しょ社会の実現に向けて、国の2050 年カーボンニュートラルやグリーントランスフォーメーション(GX)と連動し、電動車導入に係る補助に加え、中小企業の脱炭素化に向けた支援制度の構築に取り組むとともに、循環型社会の構築に向けて、廃棄物の3Rや適正処理等の推進に取り組みます。また、クリーンエネルギーの導入促進に向けて、太陽光発電等の適切な導入拡大、水素・アンモニア等の新エネルギー利活用の実証に加え、GXを促進するための普及啓発や、再エネを活用し産業競争力を強化するモデルの構築に取り組みます。
 また、食品ロスの削減に向け、沖縄県食品ロス削減推進計画の中間見直しに取り組むとともに、各業界団体等と連携を図りながら広報・啓発等に取り組みます。

 沖縄文化の保存・継承・創造と更なる発展について申し上げます。
 文化と伝統については、琉球王朝時代より培われてきた伝統文化の継承・発展のため、令和7年に設置した「沖縄県文化芸術振興基金」を活用し、文化芸術の振興を図りつつ、伝統芸能、伝統的な行事及び食文化など沖縄の伝統的な文化のユネスコ無形文化遺産登録に向けて取り組むとともに、琉球歴史文化の日を中心に、沖縄の歴史と文化への理解を深め、多様で豊かな沖縄文化を守り、育むための取組を推進します。
 また、首里城に象徴される歴史、文化を継承していくため、伝統的な建築等の技術に係る人材育成や安全性の高い公園管理体制の構築のほか、首里杜地区の歴史まちづくりの推進や地域の文化資源の整備に向けた調査に引き続き取り組みます。
 令和8年度は「しまくとぅばの日に関する条例」の制定から20 周年を迎えることから、しまくとぅばへの県民の理解と参画を広げる、20 周年記念事業を展開するなど、しまくとぅばの保存・普及・継承を一層促進します。
 沖縄空手の保存・継承・発展のため、第3回沖縄空手世界大会を少年少女世界大会と統合して開催するほか、開館10 周年を迎える沖縄空手会館を拠点とした「空手発祥の地・沖縄」の発信、指導者・後継者の育成、空手愛好家や観光客の受入体制強化等に取り組みます。
 沖縄の貴重な文化財の保存活用を図るため、修復・復元や伝承者の養成、指定に向けた調査を推進します。

 教育振興について申し上げます。
 確かな学力を身に付ける学校教育の充実に向け、主体的・対話的で深い学びと教育DXの推進を通した学力向上、教員の指導力向上、遠隔教育の
推進に取り組みます。
 また、学校における体力向上、食育及び安全教育の充実、総合的な学習の時間等における地域の歴史や平和に関する学習に取り組むとともに、誰一人取り残されない学びの保障に向けた不登校・いじめ対策等を推進するなど、児童生徒が毎日通いたくなる魅力ある学校づくりを推進します。また、フリースクール等に通う児童生徒等に係る実態の把握に取り組みます。
 児童生徒一人ひとりの社会的・職業的自立に向け、個々の能力を伸ばす教育やキャリア教育の推進に取り組むほか、インクルーシブ教育を推進し、障害のある生徒等の自立と社会参加を見据えた特別支援教育の充実を図ります。
 安心して学べる教育環境の整備については、中部地区における新たな特別支援学校の開校に向けて取り組むとともに、安全・安心な学校施設の整備を推進します。
 教職員が心身共に健康で本来の職務に専念し、働きやすさと働きがいを実感できる環境整備に向け、働き方改革及びメンタルヘルス対策を一体的に推進するとともに、教員の確保に取り組みます。
 児童生徒等が、家庭の経済状況等に左右されることなく安心して教育を受けられるよう、学校給食費無償化に向けた段階的な取組として、全ての市町村及び私立学校等に対し、小学生の学校給食費を国の交付金を活用し補助するとともに、引き続き、中学生の学校給食費の2分の1相当額を補助し、保護者の経済的負担軽減に取り組みます。また、新たに「沖縄県部活動大会参加支援基金(仮称)」を設置し、中高生の部活動等への派遣費補助の拡充に取り組みます。さらに、中高生のバス通学費等の支援拡充、高校未設置離島出身生徒の居住費等の支援、就学援助及び給付型奨学金の実施、高等教育の修学支援に取り組みます。
 生涯学習環境の充実のため、関係機関等と連携・協働し、学習情報や機会の提供に取り組みます。

 施策を推進する上での行政運営について申し上げます。
 多様な働き方と戦略的な人材確保を強力に推進するとともに、業務変動へ機動的に対応するため、新たに「働き方改革・人材確保推進室(仮称)」を設置するほか、本庁舎(行政棟)について、長寿命化、省エネ化、誰でも利用しやすい庁舎づくり、執務環境の改善を目的とした、改修事業に取り組むなど、職員が働きやすい職場環境の実現に取り組みます。
 また、公務の遂行に当たっては、「沖縄県内部統制に関する方針」に基づき、職員一人ひとりが改めて法令遵守の意識を徹底し、高い透明性を確保した適切な行政運営を一層強力に推進します。

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