令和8年第1回沖縄県議会(Iはじめに)

ページ番号1038338  更新日 2026年2月18日

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Ⅰ はじめに

 ハイサイ、グスーヨー、チューウガナビラ。
 令和8年第1回沖縄県議会の開会に当たり、議員各位の御健勝を心からお喜び申し上げますとともに、日々の御精励に対し深く敬意を表します。
 令和8年度当初予算案などの重要な議案の審議に先立ち、まず、県政運営に当たっての私の所信の一端を申し述べ、議員各位及び県民の皆様の御理解と御協力を賜りたいと存じます。

 第1に、県政運営に取り組む決意について申し上げます。
 私は、県知事に就任して以降、祖先(ウヤファーフジ)への敬い、自然への畏敬の念、他者の痛みに寄り添うチムグクルを大切にするとともに、「自立」「共生」「多様性」の理念の下、包摂性と寛容性に基づき、様々な施策を推進してまいりました。
 「時代を切り拓き、世界と交流し、ともに支え合う平和で豊かな『美ら島』おきなわ」の創造を基本理念とする「沖縄21世紀ビジョン」の実現を図り、本県の自立的発展と県民一人ひとりが豊かさを実感できる社会の実現に向けて取り組むとともに、公約の3つの大項目、「県経済と県民生活の再生」「子ども・若者・女性支援施策のさらなる充実」「辺野古新基地建設反対・米軍基地問題」を中心とする各種施策の実現を図ってまいりました。

 知事就任2期目においては、令和7年3月に「沖縄県こども・若者計画」を策定したほか、貧困対策費の増額による対策の強化、こども施策に関する総合調整機能の強化、学校給食の無償化に向けた取組などを進めてまいりました。
 また、令和5年3月の「沖縄県差別のない社会づくり条例」の制定や、アジア・太平洋地域の緊張緩和と信頼醸成に向けた地域外交の推進、戦後80 周年平和祈念事業の実施、「防災危機管理センター棟(仮称)」の整備に向けた取組、本島周辺離島の水道広域化の拡大、首里城復元に向けた取組、持続可能な観光地として発展していくことを目指した令和7年9月の「沖縄県宿泊税条例」の制定など、様々な取組を進めてまいりました。

 令和8年度の県政運営に当たりましても、「誰一人取り残さない沖縄らしい社会」の実現に向けて、県政の最重要課題であるこどもの貧困解消に向けた取組を含めた総合的なこども施策に取り組むとともに、誰もが安心して子育てができる環境づくりや、すべての高齢者、障害のある人が安心して生き生きと暮らすことができる地域づくりなど、あらゆる世代への総合的な支援について、引き続き、全庁体制で取り組んでまいります。

 ここ数年の物価高などにより、県民生活は厳しい状況にあり、足元の物価高に対応するため、生活困窮者や子育て世帯等に対する負担軽減、適切な価格転嫁や賃上げに向けた事業者支援に加え、教育、福祉、医療、交通、農林水産業など様々な分野に対する支援に取り組んでまいりました。引き続き、県民生活・県経済への影響の緩和を図りつつ、県経済の拡大を確かなものとし、更なる成長につなげるよう取り組んでまいります。

 世界から選ばれる持続可能な観光地の形成に向けた取組により、近年、観光収入が過去最高を更新し続けており、令和7年の入域観光客数も過去最多となるなど好調に推移しているところです。引き続き、好調な国内観光需要の継続的な確保、アジア市場はもとより、欧米豪等の海外からの戦略的な誘客及び受入体制の強化に取り組んでまいります。
 また、生成AI等によるDXの推進やスタートアップの育成等を通じたイノベーションを促進するとともに、国内外への市場開拓による外需の獲得と域内経済循環の活性化を両輪として進め、「稼ぐ力」の強化に向けた施策を総合的に展開してまいります。

 次に、重要性を増している課題に対する取組について申し上げます。

 県土の均衡ある持続可能な発展を支える交通基盤の構築により、県民生活の質の向上、地域経済活性化等を目指してまいります。そのため、慢性的な中南部都市圏の交通渋滞、公共交通空白地域など県内陸上交通の課題や、歴史的経緯及び高齢化の進展など社会構造の変化も踏まえ、戦後100年の公共交通の将来像を県民と描き、都市交通マスタープラン等と一体的に構想する「世代交通ビジョンおきなわ(仮称)」の策定に取り組んでまいります。
 さらに、鉄軌道を含む新たな公共交通システムの早期導入や公共交通の利便性向上に向けて取り組んでまいります。

 本県の離島地域は、豊かな自然環境や独自の歴史・文化などの人々を惹きつける資源を有しているほか、我が国最西端の領海・領空・排他的経済水域の保全など、国家的利益の確保と増進に重要な役割を果たしております。
 そのため、離島振興なくして沖縄の振興なしという考えの下、県政の最重要課題と位置付け、引き続き離島振興に取り組んでまいります。
 特に、小規模離島においては、長年にわたる人口減少等により地域社会の存続が危ぶまれる深刻な状況について、強い危機感を持っているところであり、小規模離島の方々が安心して暮らし続けることができるよう、離島町村と連携しながら、地域社会の維持に向けた施策に全力で取り組んでまいります。

 県立病院の経営再建に向けた取組を着実に推進するとともに、離島で働く医師の養成や代診医派遣等に引き続き取り組むなど、離島・へき地を含め医療提供体制の確保を図ってまいります。

 新たに設置する「沖縄県糖業・農業振興基金(仮称)」を活用し、基幹作物であるさとうきびの生産をはじめとする糖業及び農業の一体的な振興を図るほか、老朽化した製糖工場の整備に取り組みます。また、新たな「沖縄県畜産生産基盤強化支援基金(仮称)」を活用した中長期的な視点での畜産生産基盤の強化に取り組むなど、本県の特性を最大限に生かした持続可能な農林水産業の実現を目指してまいります。

 昨年11 月に発生した導水管の破損事故では、県民生活や産業活動へ大きな影響を及ぼしたところであり、老朽化した水道施設の計画的な更新に取り組むほか、社会基盤の計画的な整備や補修・更新・耐震補強等のハード対策と併せてソフト対策にも取り組み、大規模災害等に備えた強くしなやかな県土づくりに取り組んでまいります。

 さらに、道路標識や街路樹など、緊急的な改善対策を集中的に実施することで、交通安全の確保及び沿道景観形成の促進を図り、安全・安心な道路環境の確保に取り組んでまいります。

 県民の命と健康に関わる水道水については、引き続きPFOS等低減化について取り組み、県及び市町村の対策に係る費用について最大限の支援を国に求めてまいります。また、抜本的な解決に向け、国や米軍による低減化対策の実施を求めてまいります。

 沖縄固有の海洋島しょ圏の特性を活かし、生物多様性に富んだ、世界に誇れる豊かな自然環境を次世代へ継承するため、自然環境の保護・保全に取り組むとともに、国立沖縄自然史博物館の設立・誘致の早期実現に向けて、県全体が一丸となった更なる取組を推進してまいります。

 東アジア地域における経済的な結びつきが密接な今日において、平和的な外交・対話を通じた緊張緩和と信頼醸成がこれまで以上に必要であると考えております。
 沖縄独自の歴史的・文化的特性等のソフトパワーと国際ネットワークを最大限に活用することで、対話や交流、国際協力などの平和的な手法で信頼関係の構築を図り、様々な主体と連携しながら、アジア・太平洋地域の平和構築や相互発展へより積極的な役割を果たすため、地域外交を推進してまいります。

 復帰から50 年以上経た現在もなお、航空機騒音やPFOS等の問題、米軍人等による事件・事故など、沖縄県民は到底受忍できない過重な基地負担を強いられ続けていることから、引き続き、県民の目に見える形で基地負担の軽減がなされるよう取り組んでまいります。
 特に、普天間飛行場については、一日も早い危険性の除去及び早期閉鎖・返還は県民の強い願いであり、その実現を日米両政府に求めるとともに、辺野古新基地建設の断念と対話による解決を求める姿勢を堅持し、「米軍普天間基地を閉鎖・撤去し、県内移設を断念すること」を求めた建白書と、「平和で豊かな沖縄の実現に向けた新たな建議書」に込めた平和への願いを叶えられるよう、引き続き、全身全霊で取り組んでまいります。

 令和4年に、いわゆる安全保障関連三文書が閣議決定されて以降、特に南西諸島における防衛力強化が進められるなか、政府は更なる防衛力強化のため、当該文書を前倒しで改定するとしております。
 政府は南西諸島への自衛隊の配備を進めておりますが、米軍基地が集中していることに加え、急激な配備拡張による抑力の強化がかえって地域の緊張を高め、不測の事態が生じることを懸念しており、ましてや沖縄が攻撃目標になることは、決してあってはならないと考えております。
 このため、安保関連三文書改定について国政の場で十分に議論を深めることや、本県における自衛隊の配備は在沖米軍基地の整理縮小とあわせて検討することなどについて、引き続き軍転協等とも連携しながら、政府に求めてまいります。

 令和8年秋は、首里城正殿の完成という復興の大きな節目となることから、首里城正殿完成記念事業を実施し、完成した首里城正殿の姿と復元の歩みを多くの皆様に御覧いただくとともに、首里城に象徴される歴史・文化を含めた沖縄の魅力を発信するなど、その価値を次世代へ継承していけるよう取り組んでまいります。

 私は、誰もが輝き、誰もが尊重され、そして誰もが希望のうちに喜びを見つけることが当たり前に実現する島、幸福が真に実感できる沖縄を目指し、誰一人取り残さない、沖縄らしい優しい社会の実現に向けて、職員と一丸となって、全身全霊で取り組んでまいります。

 第2に、内閣府予算案及び税制改正について申し上げます。
 令和8年度内閣府沖縄振興予算案においては、約2,647 億円が計上され、沖縄振興特別推進交付金及び沖縄振興公共投資交付金が増額されたほか、新たに次世代情報通信基盤の実装や先端医療技術基盤の形成促進に係る事業等が計上されました。
 また、令和7年度補正予算では、防災・減災・国土強靱化の推進など、291 億円が確保され、令和8年度予算案と合わせると、2,938 億円となりました。
 税制改正においては、揮発油税等の暫定税率が廃止されるなか、沖縄独自の措置は、本県の実情等を踏まえ、本則税率からの軽減措置が講じられました。
 県としては、沖縄振興予算及び税制を積極的に活用し、沖縄の自立的発展と県民一人ひとりが平和で誇りある豊かさを実感できる社会の実現に向けて取り組んでまいります。

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