ジュゴン保護対策・目撃情報

ページ番号1004859  更新日 2024年1月11日

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ジュゴンは、環境省レッドリスト及び沖縄県レッドデータブックにおいて、絶滅の危機に瀕している種(絶滅危惧IA類)とされており、また、沖縄県希少野生動植物保護条例に基づく指定希少野生動植物種にも指定されていますが、ジュゴンの生態は不明な点が多く、沖縄県では平成28年度からジュゴン保護方策の検討や生息状況調査等を行っています。
本事業では、過年度の事業結果等を踏まえ、ジュゴンの生息状況調査を実施するとともに、普及啓発などのジュゴンの保護対策を講じていくことを目的としています。

令和4年度調査結果の概要は次のとおりです。

  1. 令和4年9月に伊是名島周辺海域、同年11月に古宇利島・屋我地島周辺海域の海草藻場において、ジュゴンの喰み跡(はみあと)が確認されました。
    ※年度別では過去最多となる合計11地点で確認(これまでの最多はH30年度の8地点)。
    ※伊是名島周辺海域では3年連続、古宇利島・屋我地島周辺海域では2年ぶりの確認。
  2. 令和4年6月に伊良部島、同年7月に名護市久志の沿岸において採取された大型海産草食動物の糞から、ジュゴンのDNAが検出されました。
    ※ジュゴンのDNA検出は、県の調査では初の事例となります。
  3. ジュゴンの分布推定の結果、年代ごとの分布の特定回数が最も多かったのは古宇利・屋我地周辺海域で、その次に多かったのは宮城島・伊計島の西部、金武町から東村に至る沖縄島東海岸、渡名喜島東部、西表島北西部及び南部の一部、新城島周辺、波照間島周辺などとなっており、これらの地域において長期間ジュゴンが生息していた(生息している)と推定されました。
  4. ジュゴンの喰み跡の確認及びDNA検出から、現在も先島諸島及び沖縄島周辺海域でジュゴンが生息していることが確認されました。
    また、分布推定結果から、県内の広範囲においてジュゴンの生息が示唆されました。

詳細は、以下の報告書をご覧ください。

ジュゴンの保護のため、県民の皆様へのお願い

県では、平成29年度に実施したジュゴンの生息状況調査や既存の目撃情報などや、有識者からなる検討委員会の意見を踏まえ、ジュゴンの餌場である主要な海域として7海域(主要海域図)を選定しています。
令和4年度調査において、ジュゴンの喰み跡やDNA検出など生息を示す痕跡が多く見つかっています。また、近年の環境省の調査において、伊良部島周辺海域など先島諸島でも
喰み跡が多く確認されています。
ジュゴンを保護するためには、県民の皆様のご理解とご協力がとても重要です。
県民の皆様におかれましては、改めて下記の取組についてご協力をお願いします。

  1. 主要海域周辺や伊良部島周辺海域等における船舶等の航行に際し、ジュゴンの存在確認や低速度による航行
  2. 土地造成や農作業による赤土等流出防止
  3. 工場排水や農業廃水の水質改善
  4. 家庭排水等による河川の水質汚濁等の軽減
  5. 沿岸域への建築物・工作物建設等に伴う潮流の変化の低減
  6. ごみ対策(ビニール袋や釣り糸などを川や海に捨てない、川や海岸の清掃活動への参加)

また、ジュゴンの目撃情報を収集するための専用のサイトを開設しましたので、目撃情報の提供についてもご協力をお願いします。

目撃情報の提供について

令和3年10月、ジュゴンは沖縄県希少野生動植物保護条例の指定希少野生動植物種に指定されました。

沖縄県では、ジュゴンの保護に資するため、目撃情報を集めています。

今般、多くの皆様から目撃情報を収集することを目的に、以下の専用のサイトを立ち上げました。情報提供のご協力をよろしくお願いします。

チラシ:ジュゴンについて1

チラシ:ジュゴンについて2

IUCN海牛類専門家グループからの書簡及び沖縄県の見解について

国際自然保護連合(IUCN)に設置された海牛類専門家グループは、ジュゴンとマナティー(海牛類)の保護に関して科学的な助言を行う組織です。

今般、科学雑誌に沖縄のジュゴンが絶滅したとする論文(査読前)が投稿されたことを受け、IUCN海牛類専門家グループから、「当該論文の主張が全く信頼に値しない」とする書簡が沖縄県に届きましたので、その内容を以下に公開します。

沖縄県は、県が実施したジュゴンの生息状況調査で、令和2年度に古宇利・屋我地島周辺及び伊是名島周辺海域で、令和3年度に伊是名島周辺海域でジュゴンの喰み跡を確認していることなどから、ジュゴンは生息していると考えております。また、2019年にIUCN海牛類専門家グループを中心とした専門家会議が作成した調査計画(リサーチプラン)に留意しながら調査に取り組んでおり、引き続き生息状況調査を実施するとともに、その結果について随時公表してまいります。

ジュゴン保護対策・目撃情報について

  • ジュゴンは太平洋からインド洋、紅海にかけての熱帯亜熱帯の浅海域に生息する海牛類であり、沖縄のジュゴンは世界の北限個体群にあたるとされています。
  • かつては、沖縄県全域や奄美諸島などに分布していましたが、今ではワシントン条約附属書1.に掲載され、環境省レッドリスト及びレッドデータおきなわでは絶滅危惧1.A類に指定されています(2019年12月10日に公表されたIUCNレッドリストにおいて、ジュゴンの南西諸島地域個体群が絶滅危惧1.A類にあり、絶滅の危険性が高い状況にあると評価されました)。
  • ジュゴンは海草類のみを摂餌するため、その行動範囲が漁業や船舶など人の活動と重なっており、混獲や衝突、餌場の海草藻場の縮小(環境悪化や埋立による消滅)等の脅威に晒されていると考えられています。
  • 県では平成28年度からジュゴン保護対策事業を開始し、生息状況調査や普及啓発などの保護対策を実施しています。

ジュゴンおよびジュゴンの喰み跡の目撃情報について

令和3年度の調査において、伊是名島(沖縄県調査)並びに西表島、黒島、伊良部島、来間島及び池間島(いずれも環境省調査)の各沿岸域に発達する海草藻場において、ジュゴンの喰み跡が確認されました。 これについて、詳しくは、下記の県の報告書及び環境省が実施した調査結果報告書でご覧いただけます。

ジュゴンおよびジュゴンの喰み跡の目撃情報が得られた場所(2010年以降の情報)を掲載しています。

ジュゴンの喰み跡について

ジュゴンの食み跡は、餌となる海草藻場に線状などで見られるものですが、ウミガメなどの喰み跡と区別できるよう、沖縄県のジュゴン保護対策事業においては、以下のように定義をしています。

不発弾水中爆破時のジュゴンへの配慮のお願い

不発弾を海中で爆破処理する際、ジュゴンへの影響が懸念されることから、県ではジュゴンへの配慮について求めています。

ジュゴン保護対策事業(平成28年度~)

平成28年度ジュゴン保護対策事業報告書

平成29年度ジュゴン保護対策事業報告書

平成30年度ジュゴン保護対策事業報告書

平成31年度ジュゴン保護対策事業報告書

令和2年度ジュゴン保護対策事業報告書

概要版/Report Summary(English)

令和3年度ジュゴン保護対策事業報告書

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このページに関するお問い合わせ

沖縄県 環境部 自然保護課
〒900-8570 沖縄県那覇市泉崎1-2-2 行政棟4階(北側)
電話:098-866-2243 ファクス:098-866-2855
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