令和4年度(第44回)水の作文コンクール 優秀・入選作品

ページ番号1017160  更新日 2024年2月20日

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令和4年5月24日に、第44回全日本中学生水の作文コンクール」沖縄県審査を実施しました。

沖縄県審査(審査委員:公立中学校教諭3名)は、次のポイントを踏まえて実施され、受賞作品が選定されました。

  • 水の貴重さ、水資源を保全する重要性を的確に捉えていること。
  • 将来の夢、提案などが中学生らしくまとめられていること。
  • 抽象的・観念的なものでないこと。
  • 中学校国語科における作文の作成要領を踏まえていること。

沖縄県審査による優秀作品・入選作品

優秀賞

入選

第44回全日本中学生水の作文コンクール沖縄県知事表彰式の様子(令和4年8月1日)

写真:表彰式

【講評】代表審査委員 新垣 元子 教諭

写真:講評

【講評】代表審査委員 新垣元子 教諭

今回も73点の応募があり、中学生の水に対する関心の高さを伺うことができました。どの作品も素晴らしく、審査も困難でしたが、優秀賞5作品、入選5作品を選ばせていただきました。
入賞作品について講評を述べさせていただきます。

一作品目、那覇市立真和志中学校 仲松蒼さんの作品は、まず、文章構成の流れがしっかりしているところを評価しました。序論で問題提起をして疑問点を明らかにし、結論で解決策を示し、現状の技術の話だけではなく、自分に何ができるかというところまで落とし込む構成力が見事です。内容としても、沖縄県の昔の状況と、現在の海水淡水化技術をしっかり理解できている書きぶりになっていて、素晴らしい。

二作品目、西原町立西原中学校 照屋幸加さんの作品では、石垣島での自身の実際の体験から平和につなげたところに独創性がありました。現在の課題である、SDGsについての視点も盛り込まれており、これからの時代に必要な観点での問題提起になっていました。また、「水になれる」という慣用句からの書き出しになっている点は、読み手の興味をそそられました。

三作品目、那覇市立寄宮中学校 大城奈子さんの作品では、まずタイトルの「水に負けず」というフレーズが、ほかの作品にない工夫があったと思います。内容としても、水が大切という作文が多い中、水が怖い、恐ろしいという実際にあった体験を元にして、水とどう関わっていくべきなのかが書けていました。他の審査員からも、「水と共存する」という視点がよい、ということでした。

四作品目、沖縄県立開邦中学校 玉城蒼さんの作品ですが、まずタイトルが魅力的です。書き始めに、「氵(さんずい)」の漢字について、また「水は借り物」「水に生かされている」という表現、考え方に独創性がありました。水を通して過去からの繋がり、大きく言うと生命に関する深みのある文章になっており、水は自然の恩恵であるというこのテーマの原点が上手く書けている内容でした。

五作品目、沖縄県立開邦中学校 佐久本和奏さんの作品は、「私は水が大好きだ」という最初の一文が中学生らしく素直な表現でとても好感が持てました。また、最後の部分で、たくさんの情報にあふれている現代社会の中で、情報を取捨選択しながら自分なりの答えを見つけていくというまとめが、タイトルにもある「何もわからない私に出来ること」に繋がっていて、とてもまとまりのある文章になっていました。

次に、入選作品の講評です。

一作品目、宮古島市立下地中学校 友利歩夢さんの作品ですが、審査員全員が、オリンピックから世界に目を向けて、どの国の13歳も平等だという、発想力と表現力がよい、という意見でした。オリンピックの金メダル、苦しんでいる子供、自分、全く環境が違うそれぞれを、共通の13歳というワードで1つにしている構成力が素晴らしく、しっかり作品として完結していました。

二作品目、糸満市立髙嶺中学校 沖田椿さんの作品は、目に見えない水「バーチャルウォーター」に目を向けてSDGsにも結びつけている点と、「バーチャルウォーター」という新しい言葉をうまく説明しながらしっかり今後自分たちにできることを、自分の視点で考えられている作品となっていました。

三作品目、沖縄県立開邦中学校 竹本華那子さんの作品は、特に結論部分のまとめ方が見事でした。具体的に言うと、最後の部分の表現、「困るのは他の『だれか』ではなく『未来の自分』です。」という言葉が、未来を見据えて自分事として考えていて、力強いメッセージ性として伝わってきました。

四作品目、沖縄県立開邦中学校 宮下颯太さんの作品ですが、タイトルが、「我が家の節水目標」となっており、日常の家族での取組を具体的に書いているところが非常に印象的でした。颯太さん本人の意識はもちろんのこと、周りの家族の意識も非常に高く、またそれを周りにできることとして発信しているところが素晴らしいと思いました。

五作品目、うるま市立あげな中学校 山内愛さんの作品は、段落最初、問いで始まり、最後の文でその問いに対して回答する、という構成が評価されました。自分自身に問いを出し、それに正しい情報を提示しながら説得力のある根拠を示して結論を導いているという流れがとても分かりやすく書けていました。

以上、十作品の講評ではありますが、今回出品された全ての作品において、それぞれが自分の視点を持って「水」に対して考え、悩み、どうしていくかを真剣に向き合って解決方法を探るという、優れた内容でした。課題としては、誤字脱字、文体の統一のなされていないものが数点あったことです。今一度、担当教諭と共に見直しの確認作業をしていただきたいです。ですが、大人でも気づかないところに目を向けて、当たり前の有難さに気づくことができる、中学生の純粋で素直な言葉と心に触れ、とても清々しい時間を持つことが出来ました。審査員を代表して、お礼申し上げます。出品された中学生の皆さん、ありがとうございました。

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