配置転換の撤回を求めた事例

ページ番号1012261  更新日 2024年1月11日

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配送業を営む会社から、担当していた配達路線の配置換えを命じられ、これを拒否したことを理由に出勤停止処分を受け、配置換えを受け入れる意向を示したにもかかわらず、さらに別の路線へ配置換えを命じられたとして、労働者Aから、当初命じた配達路線に戻すことを求めて、あっせん申請がありました。

あっせんの場において、Aは、「会社のさらなる配置換えは二重処分にあたり不当である。また、出勤停止処分についても、重すぎる処分であり、撤回を求める。」との主張でした。
一方、会社は、「当初命じた路線は会社にとって重要な路線であり、既に別の職員を配置していることから、戻すことはできない。また、出勤停止処分についても適切な処分である。」との主張でした。
労使双方の主張の隔たりは大きかったのですが、あっせん員が双方から個別に事情を聴き、双方の主張を整理したうえで、Aに対しては、「配置換えは、会社の管理運営事項に属するものであることから、受け入れる方が望ましい。」、会社に対しては、「出勤停止処分は、処分の程度や手続に問題があると考えられることから、撤回する方が望ましい。」との助言を行ったところ、双方ともに理解を示したことから、あっせん員は、「Aは配置換えについて同意し、会社はAに対する出勤停止処分を撤回して、その間の賃金相当額を支払うこと、また、今後、本件あっせんに至った経緯にこだわることなく、相互信頼の下、意思疎通を図り、良好な労使関係の確立に努めること。」とのあっせん案を提示したところ、双方が受諾し、円満に解決しました。

本事件は、Aが配転命令についての考えを改め、会社も懲戒処分についてのあり方や手続を適正化することを約したことが、解決につながった事例です。

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