国際社会への情報発信
玉城知事の国連訪問(令和5年9月17日(日曜日)~9月23日(土曜日))
令和5年9月17日から9月23日にかけて、玉城知事は、スイス・ジュネーブの国連人権理事会本会議において、沖縄に米軍基地が集中している状況や県民の平和を希求する思いなどをスピーチしたほか、国連欧州本部において講演会や国連関係者との面談を実施し、沖縄の過重な基地負担や辺野古新基地建設問題に加え、これらの問題が沖縄だけの問題ではなく、人権、民主主義、環境の問題という普遍的な問題であることについて、国際社会に訴えました。
訪問概要
- 日程
-
令和5年9月17日(日曜日)から9月23日(土曜日)まで
- 場所
- スイス・ジュネーブ 国連欧州本部
- 取組内容
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(1)口頭声明(スピーチ)
(2)講演会
(3)国連関係者との面談(計6名)
(1)口頭声明
- 日時
- 令和5年9月18日 16時00分~18時00分
- 場所
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欧州国連本部ビル3階 国連人権理事会本会議場(RoomXX)
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国連公式チャンネル「UN Web TV」(外部リンク)
玉城知事のスピーチは 1時間07分56秒 時点から始まります。
玉城知事は、国連人権理事会本会議場で以下の内容についてスピーチを行いました。
(1)沖縄に基地が集中している現状
(2)辺野古新基地建設が強行されていること
(3)軍事力増強により日本周辺地域の緊張を高め、不測の事態を招くことへの懸念
(4)沖縄県民の平和を希求する思い
(5)「平和への権利」に基づく、関係政府による外交努力の強化の要請
(2)講演会
- 日時
- 令和5年9月19日 11時00分~12時00分
- 場所
- 欧州国連本部ビル ルーム25(Room XXV)
- テーマ
- 「米軍基地による人権・自治・環境問題」
- 登壇者
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玉城知事
ショーン・コナー 国際平和ビューロー事務局長
島袋純 琉球大学教授
- 司会
- 上村英明 新時代アジアピースアカデミー代表理事
まず初めに、玉城知事が講演を行いました。講演のポイントは以下のとおりです。
(1)沖縄の地理・自然・歴史
(2)基地ができた歴史的背景と基地負担の現状
(3)米軍の事件・事故
(4)米軍基地から派生する環境問題
(5)日米地位協定の問題点
(6)辺野古・大浦湾の豊かな環境と新基地建設
次に、ショーン・コナー事務局長によるスピーチがあり、下記の発言がありました。
「米軍に由来する事件やPFAS 等の環境問題は、人権問題であり、平和主義や民主主義に反するものである」
「沖縄の基地は、地政学的な意味合いがあり、米国や西側諸国と中国との緊張が高まるにつれ、沖縄の軍事基地が今後の戦略において大きな役割を果たすのではないかという懸念もある」
「緊張関係を緩和するためには、文化外交や地域外交も必要になる」
最後に、島袋教授によるスピーチがあり
「基地の過度の集中が人権侵害、自治権の侵害をもたしている」
「日本の司法に訴えても解決しないため、知事は国連に来て沖縄の人権と自治権の侵害について声をあげている」
「今後ますます、沖縄の人や社会を育てるための投資よりも、軍事化を優先する予算編成に変わっていくような、政府の顕著な動きがみられる」
などの発言がありました。
(3)国連関係者との面談(計6名)
- 日程
- 令和5年9月18日(月曜日)~令和5年9月21日(木曜日)
- 面談者
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有害物質及び廃棄物に関する特別報告者 マルコス・A・オレリャーナ
発展の権利に関する特別報告者 スーリヤ・デヴァ
国連人権高等弁務官事務所 クリスチャン・サラザー・ヴォルクマン部長
国連軍縮事務所 キャロライン・メラニエ・レジンバル ジュネーブ事務所長
国連難民高等弁務官補 ジリアン・トリッグス
国際秩序に関する独立専門家 リビングストーン・サワンヤナ
(1) 有害物質及び廃棄物に関する特別報告者 マルコス・A・オレリャーナ
玉城知事からは、沖縄の基地形成過程を説明した上で、沖縄米軍基地から派生する環境汚染の問題について説明しました。
特に普天間基地周辺のPFAS 等の検出状況の調査結果等から、基地が汚染源である可能性があると考えられていが、汚染源調査の許可が下りず、米軍基地内の立入調査ができないことなどを伝えました。
マルコス氏からは、
「PFAS の問題は世界各地で報告があがってきており、人体への影響等、非常に懸念される。私の特別報告者としての任務は、それを調査し、人権理事会に報告することである」
「オーストラリアで空軍基地のPFAS 汚染について調査・報告した際には、オーストラリア政府は、汚染源を明らかにするプログラムを行い、補償を行うといった対応をとった。」
「沖縄の基地とPFAS の問題については、日本国と米国の両者が解決に向けて動いていく必要がある。私も解決に向けて取り組みたい。」
といった発言がありました。
そのうえで、玉城知事から、沖縄に来て調査を行ってほしいと要望したところ、マルコス氏からは、「私が沖縄を訪問するにはいくつかの方法がある。私の訪問が実現できるように期待している。」との回答がありました。
(2) 発展の権利に関する特別報告者 スーリヤ・デヴァ
玉城知事からは、沖縄の基地形成過程を説明した上で、人口が集中する沖縄県中南部には、広大な米軍基地が存在しており、都市形成、交通体系の構築、産業機能の集積等の地域振興を実現していく上で大きな障害となっていることなどを説明しました。
スーリヤ氏からは、
「自治体の長がこのように私のところまで訪問してくることは非常に珍しい」
「知事の難しい立場はよく理解できるところです」
などの発言がありました。
また、「詳細な資料や写真などのデータが必要と考えるならば送っていただきたい。状況について、把握することは必要である。」などの意見もいただきました。
(3) 国連人権高等弁務官事務所 クリスチャン・サラザー・ヴォルクマン部長
玉城知事からは、沖縄の基地形成過程を説明した上で、沖縄米軍基地から派生する環境汚染の問題について説明しました。
特に、普天間基地周辺のPFAS等の検出状況の調査結果等から、基地が汚染源である可能性があると考えられるが、許可が下りず、米軍基地内の立入調査ができないことなどを伝えました。
ヴォルクマン部長より、発言内容については公表を控えていただきたい旨のご要望がありましたが、非常に有意義な情報や意見をいただきました。
(4) 国連軍縮事務所 キャロライン・メラニエ・レジンバル ジュネーブ事務所長
玉城知事からは、沖縄の基地形成過程を説明した上で、悲惨な地上戦の経験を踏まえ、沖縄における観光などの人的な交流や民間・地域間交流を促進し、アジア太平洋地域における緊張緩和と信頼醸成に繋げていきたいと考えていることなどを説明しました。
レジンバル氏からは、
「軍縮は国レベルでの取組だが、人間の安全保障のためには地方政府の参画が不可欠である」
「今回の玉城知事の来訪で、国際社会における平和構築のために、地方政府の役割は重要であると感じた」 等の発言がありました。
(5) 国連難民高等弁務官補 ジリアン・トリッグス
玉城知事からは、台湾有事は決しておこしてはいけないこと、米軍基地が集中しているがゆえに沖縄が攻撃目標とされるような事態は決してあってはならないこと、そのためには、対話が重要であること、沖縄県は令和5年4月に地域外交室を設置し、地域間交流を促進することで、信頼醸成と緊張緩和の取組みを行っていることなどを説明しました。
トリッグス氏かより、発言内容については公表を控えていただきたい旨のご要望がありましたが、非常に有意義な情報や意見をいただきました。
(6) 国際秩序に関する独立専門家 リビングストーン・サワンヤナ
玉城知事からは、米軍基地から派生する様々な問題が人権や環境、自治を侵害していること、日米地位協定がドイツやイタリアなどの国々と比較すると、米軍に国内法が原則として適用されておらず、不平等なものであることなどを説明したところ、サワンヤナ氏からは、今後、国連関係者等と対話を続ける方法等について助言をいただきました。
また、サワンヤナ氏からは、
「私は今回の知事のスピーチを実際に本会議場で拝聴した。知事が沖縄県民の声をこうして届けにきていることにつて、非常に素晴らしいことをなされたと思う。なぜならば、リーダーとしての知事の責任をしっかりと果たしたからである。」
「私たちの立場でできることを連携・協力していきたい。」 等の発言がありました。
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このページに関するお問い合わせ
沖縄県 知事公室 辺野古新基地建設問題対策課
〒900-8570 沖縄県那覇市泉崎1-2-2 行政棟6階(南側)
電話:098-866-7495
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