伝統的(でんとうてき)な民家の風景

ページ番号1002667  更新日 2024年5月2日

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沖縄で昔から受けつがれてきた、人々のすまいの特徴(とくちょう)を見てみましょう。

石敢當(いしがんとう)

写真:石巌當(いしがんとう)


「石敢當」の文字がきざまれた、長方形の平たい石です。道路のつきあたりや、家のへいなどに置かれているのを、みなさんもよく目にするでしょう。

石敢當は、悪いことや、魔物(まもの)がやってくるのをふせぐといわれています。

シーサー

写真:シーサー


シーサーは、ライオン=獅子(しし)といわれています。全力で相手をたおすといわれるライオンのように、屋根や門の上から魔物(まもの)を追い払っています。

シーサーは13~14世紀(500~600年前)、中国から沖縄に伝わったといわれています。昔は国王や国のえらい人たちなどの、シンボルとしても使われました。口を閉じているのがメス、口を開けているのがオスだといわれています。

魔物や災害(さいがい)などから人々を守るシーサーには、形や置かれている場所によって、いくつかのタイプがあります。

屋根の上や玄関(げんかん)、門の上に置かれているほか、村や町を守るために、村の入口や高台に置かれているシーサーもあります。

また、今では幸せをよぶ沖縄観光のシンボルとして、置物やキーホルダーとしても親しまれています。

仏壇(ぶつだん)とカマド

写真:仏壇(ぶつだん)


仏壇は、位牌(いはい)を置くための、段になった棚のことです。下の段には香炉(こうろ)、中段には盃(さかずき)と茶わんが置かれ、一番上の中央に位牌、左右に花が置かれたりします。

位牌は、方言ではトートーメーといわれます。祖先を大切にする沖縄では、位牌を代々引きついでいくことがとても重んじられています。

写真:カマド


かまどは、鍋(なべ)などをおき、下から火をたいて煮たきするものです。ガスや電気がなかった昔の家では、火を使って調理をすることは今よりずっと大変でした。

写真に写っている大きな鍋(なべ)は、方言でシンメーナービ(四枚鍋)とよばれるもので、主食となるサツマイモの一日分を、一度に煮る時などに使われました。メーは鍋(なべ)の大きさを表す言葉で、シンメー(四枚)は、約28リットルの水が入れられる大きさです。

フクギの木

写真:フクギの木


沖縄では、かつては家の周りを取り囲むように、フクギという木を植えました。これは台風や、火事が広がるのをふせぐためでした。

フィリピンが原産のフクギは、オトギリソウ科の木で高さは15メートルにもなります。まっすぐに育つことや、固い幹や分厚い葉をもつことなどから、ぼう風林やぼう火林として植えられたのです。

また、沖縄の着物に欠かせない黄色の染料(せんりょう)が、木の皮から取れることも知られています。那覇(なは)などの都市部ではあまり見られなくなりましたが、沖縄本島北部の今帰仁村(なきじんそん)や各地の離島(りとう)に残る、フクギ林と村落の様子を見ていると、静かで落ちついたかつての沖縄のくらしがしのばれます。