第5回沖縄平和賞受賞者(2010年)特定非営利活動法人シェア=国際保健協力市民の会

ページ番号1008330  更新日 2024年1月11日

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写真:カンボジアでの検診活動の様子
健診活動の様子(カンボジア)

贈賞理由

特定非営利活動法人シェア=国際保健協力市民の会(以下「シェア」という。)は、健康で平和な世界をすべての人とわかちあう(シェア)ために、草の根の立場から行動を起こした医師・看護師・学生が中心となり、1983年に設立されました。

これまで、タイ、カンボジア、東ティモール、南アフリカなどに医師・看護師等を派遣し、人と人のつながり、学びあいを重視した協力関係を探り、築いてきました。
地域の人々と協力し、人づくり、自発的な助け合いによる健康づくりを目指す「シェア」の活動は人間の生命や基本的人権を尊重して豊かに生活できる社会の実現に貢献し、人間の安全保障を推進するものです。

タイや南アフリカでのHIV感染者活動支援やHIV予防啓発活動、カンボジアでの保健センター建設支援や保健人材育成、東ティモールでの保健教育促進活動などの他、日本国内においては、医療にアクセスが困難な外国人のための出張健康相談や電話医療相談、タイ語によるエイズ電話相談、外国人医療を円滑に進めるための人材開発などを行い、外国人が日本で安心して暮らせるための献身的な努力を行っています。
また、これらの活動に加えて、阪神淡路大震災や新潟中越沖地震、スマトラ沖地震などの大規模災害に際しても、緊急支援活動を実施してきています。

こうした保健医療の専門性を持ってアジア・太平洋をはじめとした途上国の人々の健康に資する活動を行っている点から沖縄平和賞に相応しいと考えます。
特に、プライマリ・ヘルス・ケアのアプローチを尊重し、すべての人が心身ともに健康で暮らせる社会の実現を目指し、長期的な視点に基づいた「シェア」の保健活動は、高く評価できます。また住民と共に考え、住民の自立を促進し、住民の自主的な取り組みを側面から支援する住民参加型の活動は、住民自身が活動を長期的に継続していけるよう構築されており、地域に活動成果が根付きさらに活動の発展が期待できます。

27年余に及ぶ「シェア」の経験と実績は、現在も健康に生活することを阻まれている人々や地域を救い、アジア太平洋地域の平和を作り出す力になっていくものと期待できます。

沖縄平和賞委員会は、アジア太平洋地域はもとより世界規模で人間の安全保障の促進に貢献している「シェア」を第5回沖縄平和賞に最も相応しいものと評価しました。

「シェア」の活動の根底にある相互扶助の精神と他分野との協調と統合を重視することは、沖縄の持つ歴史的、文化的特性等を反映して恒久平和の創造に貢献するものとして創設された沖縄平和賞の趣旨に通ずるものであります。
よって、戦後の廃墟と混乱から立ち上がり発展してきた沖縄から、人の和、地域の和を大切にする沖縄のこころをわかちあい、今後の活動の発展を支援することで、沖縄平和賞と共に世界の恒久平和の実現により一層の貢献を期待して、第5回沖縄平和賞を「シェア」に贈ることに決定しました。

沖縄平和賞選考委員会(第3期)

  • 委員長 有馬朗人(財団法人日本科学技術振興財団会長)
  • 副委員長 尚弘子(琉球大学名誉教授)
  • 岩政輝男(琉球大学学長)
  • 浅野加寿子(NHK放送博物館館長)
  • 姜尚中(東京大学大学院情報学環・学際情報学府教授)
  • 小林良彰(慶應義塾大学法学部教授)
  • 初瀬龍平(京都女子大学現代社会学部教授)

肩書は当時

イラスト:沖縄平和賞のロゴマーク

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