平成18年 第5回(定)知事就任あいさつ

ページ番号1021061  更新日 2024年1月11日

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平成18年第5回沖縄県議会の開会に当たり、提案しております議案のご説明に先立ち、県政運営に関する私の所信の一端と基本的な方針について申し述べ、議員各位並びに県民の皆様のご理解とご協力を賜りたいと存じます。
私は、去る11月19日の知事選挙で、有権者多数の支持を得て当選いたしましたが、本議会に臨み、改めて137万県民の知事として、その責任の重さに身の引き締まる思いであります。
また、本土復帰から今日までの県政を顧みて、困難で複雑な課題が山積するなかで、県勢の発展に尽くされた歴代知事をはじめ、関係者の皆様のご努力に対し、心から敬意を表するものであります。

さて、我が国の経済は、バブル崩壊後の長期停滞から抜け出し、戦後最長であった「いざなぎ景気」を超える景気拡大が続いているといわれています。
しかしながら、現状をみると、企業業績の回復に比べ、家計への波及あるいは地方の活性化は遅れており、所得格差や地域格差の広がりという懸念は、依然として解消されていないと考えております。
こうした状況に鑑み、政府においては「地方の活力なくして国の活力なし」との方針に基づき、知恵と工夫にあふれた地方の実現に向けて、必要な支援を行うこととしております。

沖縄は、稲嶺県政のもと、21世紀・新たな時代に向かってスタートを切りました。これからは、県民がゆとりと豊かさを実感できる社会の実現をめざし、取り組みを加速していく必要があります。いま、全国の自治体は、行財政改革を進めながら自立への道を探っています。一方、本県においても厳しい財政状況のなか、沖縄振興計画に基づく諸施策の推進により、着実な成果をあげてきました。
こうした実績等を踏まえ、今後、「経済の自立なくして沖縄の自立なし」との姿勢で、観光の新たな展開、情報通信及び科学技術の進展に対応した産業の振興、米軍基地跡地の利活用による県土構造の再編などに、思い切って取り組んでいかなければなりません。
このように、新時代・沖縄のシナリオを描き、自立への道を切り開いていくためには、県民自ら考え、実行し、責任を負うという気概が求められます。一方で、豊かな自然環境や歴史・伝統・文化などが育んできた、沖縄の人々の優しさや思いやり、そして平和を願う「おきなわの心」を、いつまでも大切にしなければならないと考えています。

私はこのような認識のもと、若年者をはじめ多くの人に就業の機会が提供できるよう、これまで以上に企業誘致を推進するとともに地場産業の活性化に努めます。また、安らぎと潤いのある暮らし、ともに支え合う安全で安心な健康福祉社会の実現に向け、取り組んでまいります。さらに、世界に誇れる美しい自然を守り、環境と社会経済活動が調和した循環型社会の形成をめざします。

離島・過疎地域については、情報通信、医療福祉など各分野でユニバーサル・サービスの提供に努め、定住条件の整備を推進してまいります。
また、教育問題に関しては、学校現場と家庭や地域社会とが強い絆で結ばれ、豊かな人間性と創造性を備えた人材の育成が図られるよう、教育関係者はもとより産業界など各界各層の英知を結集したいと思います。

基地問題は沖縄にとって最も重要な課題の一つであり、過重な基地負担を軽減することは県民の強い願いであります。こうした県民の願いを踏まえ、米軍基地の整理縮小を求めてまいります。
普天間飛行場移設問題については、まず現在の同飛行場の危険性除去を強く求め、代替施設については、県民をはじめ地元の意向にも十分配慮しながら政府と協議を重ね、早急な解決に向けて全力を尽くします。
現状は厳しくとも、失業問題や基地問題など沖縄の現実に正面から向きあい、未来に向かって果敢に挑戦していく決意と姿勢を、今こそ示さなければなりません。

それは、沖縄の明日を担う子供たちが、自信と誇りを持てるようにすることが、我々の使命であり、責務であるからです。
私は、多くの公約を掲げましたが、これを着実に推進するため、衆議を尽くして決断し、職員一丸となって県政運営にあたる決意であります。
議員各位並びに県民の皆様のご理解とご協力を重ねてお願い申し上げます。

平成18年12月13日
沖縄県知事 仲井眞弘多

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