美ら島沖縄 vol.511

「美ら島沖縄」は、県政についての情報や、県内各地域の情報をわかりやすく県民の皆様に伝えるための雑誌です。


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問い合わせ県自然保護課HTTP://WWW.PREF.OKINAWA.JP/SITE/KANKYO/SHIZEN/SEKAISHIZENISAN/電話:098-866-2243FAX:098-866-285534【登録に向けた経緯と今後の流れ】遺産地域を厳正に保護するため、平成28年4月に「西表石垣国立公園」が西表島のほぼ全域に大幅拡張され、同年9月に「やんばる国立公園」が新規指定されました。国立公園の指定等による保護措置が整ったことを受け、平成29年2月に世界遺産登録に係る推薦書がユネスコ世界遺産センターに提出され、同年10月には諮問機関IUCN(国際自然保護連合)による現地調査が行われました。推薦書の審査や現地調査での評価を踏まえ、平成30年夏頃に開催される世界遺産委員会において本案件の審議が行われ、登録の可否が決定する見込みです。登録が実現すれば、平成23年に登録された「小笠原諸島」に続く国内5番目の世界自然遺産となり、日本国内では最後の世界自然遺産地域になると考えられています。【世界自然遺産に登録されると何が変わる?】ちなみに、世界自然遺産に登録されると、何がどう変わるのでしょうか?まず、第一に、遺産の価値である貴重な自然環境を守っていくため、希少種の保護や外来種対策、適切な観光管理などの取り組みがさらに強化されます。それから、観光地としてのイメージが向上することに伴う観光客の入れ込み数の増加が見込まれます。自然環境に大きな負荷をかけないよう適正に利用していくことが前提となりますが、多くの方が地域に訪れる機会が増えることで、観光産業が発展し、新たな雇用の創出も期待されます。また、地域の知名度の上昇による農産物や水産物等の地域の特産品のブランド力の向上も期待されます。さらに、これらの地域には、国頭村のシヌグや西表島の節祭(しち)等の祭事をはじめ、自然と人との豊かな共生の伝統や文化があり、自然と密接に関わっています。遺産登録により、自然と共生してきた地域の文化や、地域の自然そのものに対する住民の誇り、そして地域を大事にする心の醸成にもつながります。遺産登録を目指している一方で、島という閉鎖的な環境で形成されてきた琉球諸島の生態系は、非常にもろく弱いものであり、例えば以下のような脅威に晒されています。①希少動植物の密猟・盗採心ない密猟者による希少な昆虫や植物等の密猟・盗採が横行しており、絶滅が危ぶまれています。②野生動物の交通事故本地域では野生生物の生息地と近いところに道路が通っている場所もあり、ヤンバルクイナやイリオモテヤマネコ等の多くの野生動物が毎年交通事故にあっています。③外来種による在来種への影響マングースや野生化した犬・猫等の他の地域から持ち込まれた外来生物が野生動物を捕食するなど、在来種へ深刻な影響を与えています。(写真7)④無秩序な利用による自然環境への負荷自然環境を利用したエコツーリズムが盛んに行われていますが、行き過ぎた利用は自然環境に大きな負荷を与えます。(写真8)世界自然遺産登録がゴールではなく、次の世代にも同じ感動を伝えることができるよう自然を守り、継承し、地域を持続的に発展させていく必要があります。そのためには、登録地域の住民だけではなく、県民一人ひとりが自然に触れあい学びながら、世界自然遺産にもなり得る希少で稀な沖縄の自然に対する理解を深めていくことが重要です。やんばる地域にのみ生息する日本で唯一飛べない鳥であるヤンバルクイナは、マングースや野生化した犬・猫による捕食等によってその生息が危ぶまれています。奄美大島ややんばる地域では、野生化した猫によるトゲネズミ等の希少種の捕食被害が起こっています。特定の場所への利用の集中や無秩序な立入りなど、行き過ぎた観光利用は自然環境に大きな負荷を与えます。◉自然に触れて、生き物や生態系について学ぼう!◉自然を訪れたときは、むやみな生き物の持ち出しは避けましょう!◉犬や猫等のペットは山野へ放さないように責任を持って飼いましょう!◉山道では、ゆっくり安全に運転しましょう!沖縄の自然を守るため一人ひとりが今日からできること!ここで県民一人ひとりができること沖縄県世界自然遺産❻❼❽便利な暮らし、よりよい社会へ!始まりました!マイナンバー情報連携美ら島沖縄2018.45


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