美ら島沖縄 vol.520

「美ら島沖縄」は、県政についての情報や、県内各地域の情報をわかりやすく県民の皆様に伝えるための雑誌です。


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美ら島沖縄2019.17火を吹く大蛇が登場する「孝行之巻」(写真3枚は全て国立劇場おきなわ提供)沖縄伝統芸能の殿堂「国立劇場おきなわ」大劇場荒れ狂う鬼女と僧たちとの攻防が見せ場の一つ「執心鐘入」問い合わせ文化振興課電話:098-866-2768FAX:098-866-2122「組踊」を楽しむには、少しだけコツがいります。逆に言うと、いくつかのポイントを押さえれば、ぐっと組踊が身近になり、舞台を満喫することができます。ここでは、3つのコツをお伝えしたいと思います。1つ目は「あらすじを知る」です。国立劇場おきなわなど、字幕が表示される劇場もありますが、そうした設備のない舞台も少なくありません。あらすじを事前に頭に入れておくことで、物語の展開を追いやすくなります。あらすじは、その演目のチラシに書かれていることもありますし、また、インターネットで調べるのも一つの手です。コツの2つ目として、これも事前に知っておいた方がいいことですが、組踊の「約束事」があります。この約束事により、観る人の想像力を活用することができ、舞台セット以上の豊かな場面を描きだすことができます。例えば組踊では、舞台の上を半周、または一周することで「長い距離を移動した」ことを表現します。また、再会の喜びを大げさに抱き合ったりするのではなく、とても控えめな方法で表したりします。組踊にはこうした約束事がいくつかあります。日本芸術文化振興会が作成した「文化デジタルライブラリー」というホームページがあり、組踊の約束事を詳しく解説しています。動画もありとてもわかりやすいので、ぜひご覧ください。3つ目のコツは、会場との一体感を楽しむことです。組踊は「お芝居」ですので、基本的には劇場という空間に、大勢の人が集まり、みんなで同じ方向を向き、同じ物語を観ていきます。おしゃべりは控えた方がいいですが、感嘆して思わず漏れ出る声や、素晴らしい演技や、盛り上がった場面に対する拍手を、いつもより少し大げさにすることを心がければ、会場と舞台に一体感が生まれ、あなたの感動をより高めてくれるでしょう。2019年は、「組踊」が首里城で初めて上演されてから300年目を迎えます。これを記念し、組踊の持つ魅力や意味を捉え直し、先人の功績をたたえ、次の世代につないでいくため、多くのイベント、事業が企画されております。普段の年より多くの組踊が上演され、皆さまの目に触れることになるでしょう。組踊上演300年記念イベントが一覧できるホームページを準備しています。ぜひ「組踊300年」のキーワードで検索し、アクセスしてください。※組踊を大切にすることは、沖縄の文化を大切にすることに繋がります。この機会にぜひ組踊に接してはいかがでしょうか。「組踊」を楽しむために2019年は組踊の一年!※実行委員会HP:HTTPS://KUMIODORI300.OKINAWA/


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