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コラム歌碑の楽しみ方いろいろ最近では歌碑巡りの開催も盛んで、その人気は上昇中。自分なりに鑑賞のポイントを見つけて楽しんでみませんか。八・八・八・六という独特なリズムをもつ琉歌。30文字の島言葉から意味を学び、歌い継がれたメロディなどを口ずさんでみる。理解が深まることで沖縄の民謡や組踊なども一層楽しむことができる。琉歌の作者については、吉屋チルや恩納ナベ以外、ほとんどが読人知らず。一方、短歌や俳句、詩などはすべて作者を確かめられる。石川啄木や若山牧水といった本土出身の著名な歌人の歌碑も県内に建立されている。刻まれた碑文は著名な書家の手による流麗な文字や、作者直筆の味わいのある文字などもあり、それぞれの書体を楽しむことができる。「屋嘉節」は終戦直後、金武村(現在の金武町)屋嘉に設けられた米軍の捕虜収容所で、配給された缶詰の空き缶やパラシュートのヒモなどで作った「カンカラ三線」にのせて謡われた。現在伝わる曲は山内盛彬によるものだといわれている。(建立地:金武町屋嘉)屋嘉節「谷茶前節」は恩納村の谷茶に国王が訪れた際に作られた歌だといわれ、漁村の日常がコミカルに表現されている。明治20年代には舞踊の名人・玉城盛重が曲に踊りを振り付け、今でも盛んに歌い踊られている。(建立地:恩納村谷茶)谷茶前節谷茶前ぬ浜にスルル小が寄ててんどうヘイスルル小が寄ててんどうヘイなんちゃむさむさなんちゃむさむさ歌意谷茶前の浜にキビナゴが押し寄せてくるぞ谷茶前の浜にキビナゴが押し寄せてくるぞそうだそうだ気持ちも高まるよなつかしや沖縄戦場になとい世間お万人と涙ながち歌意哀しい沖縄は戦場となり多くの人々が涙を流した琉歌を味わう作者を知る碑文の書体を楽しむ3月25日(水)~29日(日)美ら島沖縄2015.311