3.これまでの経緯

ページ番号1008275  更新日 2024年1月11日

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検討委員会の設置について

説明板の設置にあたっては、当初、「第32軍司令部壕保存・公開基本計画」と、沖縄県平和祈念資料館の資料をもとに担当課で記載内容を決定する予定でした。しかし、県で作成した説明文案が長文となったこと、説明文案以外にどのような資料を掲載することが適当であるか等で、第三者の意見を参考にした方がよいと判断して、学識経験者等で構成する検討委員会を設置し、

  1. 設置場所
  2. 意匠
  3. 説明内容等

について検討していただくことにしました。

検討委員会の位置付け

「第32軍司令部壕説明板設置検討委員会」(以下、「検討委員会」という。)は、法律又は条例に基づく沖縄県の「附属機関」ではなく、県の行政上の意志決定の参考となる有識者の意見を聴取するために要項を定めて設置しました。検討委員会は「意志決定機関」ではなく、「参考意見をいただくための会合」という位置付けです。また、検討委員会においては、県の担当課は庶務を担当するだけで、検討(話し合い)には加わらず、委員長から説明等を求められた時に対応しております。検討委員会の開催目的が「意見の聴取」にあることから、基本的に検討委員会での審議中に県が判断・決定を行うことはありません。

検討委員会の開催及び検討事項

第1回検討委員会(平成23年10月25日開催)

審議事項
  • 説明板の設置場所
  • 説明板の形状
  • 説明板の内容
検討委員会合意事項
  • 設置場所は第1抗口付近とする。
  • 説明板の形状は「寝せ型」とする。デザインは、首里城公園内の案内板等と大きく変えず、かつ第32軍司令部壕の説明板であると判るよう、少し違いのあるものにする。
  • 説明板は項目立てし、構造、使用、文化遺産の焼失、撤退に伴う被害を記載する。エ.文字情報の他に、見取り図、内部の写真を盛り込む。

第2回検討委員会(平成23年11月22日開催)

審議事項

  • 言語の種類
  • 掲載する写真
  • 写真、概要図、説明文のレイアウトエ.文案

検討委員会合意事項

  • 言語は、日本語・英語・中国語・韓国語の4カ国語とする。
  • 掲載する写真は、委員会に提出された資料にある壕関係写真の1番、2番、8番を掲載する。
  • 写真の他、壕の位置関係が判る写真、壕の平面図及び断面図を掲載する。
  • 説明板のレイアウトは、左上から壕関係写真を縦に並べ、中央に壕の位置、平面図・断面図を並べ、その下に日本語の説明文を記載する。外国語は左側に英語・中国語・韓国語を並べる。

説明文案の検討

文案については、第1回検討委員会において県の作成案を示し、これを元に各委員の文案を作成していただき、第2回検討委員会に提出していただきました。各委員の文案では、第1回検討委員会で記載することが確認された「首里城等の文化財の焼失」「南部撤退に伴う多くの住民の犠牲」の他、2名の委員が住民虐殺について記述し、1名の委員が慰安婦の文言を追加していました。検討委員会で話し合いが行われ、各委員の文案を合わせる形で検討委員会としての文案がほぼ決定されました。

委員長への一任

第2回検討委員会の閉会にあたって、説明文を含む検討委員会の報告については、委員長に一任することが確認されました。

環境生活部長への報告

平成23年12月13日に委員長から沖縄県環境生活部長へ、文書提出により、検討委員会の意見をとりまとめた報告がなされました。

検討委員会からの参考意見の検証

検討委員会からの意見として報告された説明文には、当初県案に記載されていなかった「慰安婦」という文言と「司令部壕周辺では、日本軍に『スパイ視』された沖縄住民の虐殺などもおこりました。」という記述がありましたが、これらの記述について、委員から掲示された証言等の資料を確認するとともに、沖縄県平和祈念資料館の「戦争体験証言」や出版されている様々な文献を調査し、できる限り検証を行った結果、32軍司令部壕においては確証を得ることができませんでした。そのため、「慰安婦問題」「住民虐殺問題」について、説明板で誤解のないように説明することは困難であると判断しました。

県としての方針決定

第32軍司令部壕説明板設置事業を所管する環境生活部としては、第32軍司令部壕の説明板には前述の「慰安婦」と「司令部壕周辺では、日本軍に『スパイ視』された沖縄住民の虐殺などもおこりました。」の2項目については記載しない方針とし、知事等へ部の考え方を報告した上で、県として説明文を決定しました。

委員長への報告及び委員への説明

県の方針を決定した後、平成24年2月16日に、検討委員会からの報告を一任された委員長に、県の決定内容を報告しました。その後、一部の委員から、決定の経緯と考え方について説明を求められたため、翌17日と20日に個別に説明を行いました。

検討委員会からの記述削除撤回要求

平成24年2月23日付けで、検討委員会から「第32軍司令部壕説明板に関する委員会最終案記述削除撤回を要求する意見書」が提出されました。

説明板の設置

検討委員会の委員の皆様とは、平成24年2月29日、3月19日の両日に話し合いを持ち、県の考えを説明いたしましたが、ご理解いただけませんでした。また、複数の団体からも説明板に「慰安婦」と「住民虐殺」を記載する要請がありました。検討委員会、各団体の共通した要望は「沖縄戦の事実を隠蔽してはならない」ということでしたが、県においては、説明板に当該2項目を記載しないことが沖縄戦の事実を隠蔽するものとは考えておりません。次頁の≪4.「慰安婦問題」「住民虐殺」に対する県の見解≫にも述べておりますが、記載しないという判断は、沖縄戦における慰安婦、住民虐殺の存在を否定したものではないからです。このような考え方に基づき、方針に変更がないことは検討委員会、各団体にもお答えしており、年度内に事業を完了する必要があったことから、3月23日に説明板を設置いたしました。

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