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更新日:2021年12月10日
1.事業の目的
沖縄県立埋蔵文化財センターが発掘調査を行って出土した遺物の中には、金属製品や木製品、石造物
などの時間とともに劣化していく材質のものが含まれます。この事業はこれらの遺物について長期的な
保存や公開等に活用するため、保存処理を行っていく事業です。
2.金属製品の保存処理
令和2(2020)年度は、中城御殿跡から出土した青銅製の飾り金具類9点の保存処理を実施しました。
いずれも錆の生成や亀裂等により、劣化の進行が見られるため保存処理を行う必要がありました。保存
処理には専用の機材や薬品が必要なため、専門とする業者に委託しました。専門的なクリーニングと化
学的な保存処理を行ったことで、劣化への耐久性が増し、長期的な保存や積極的な活用ができるよう
になりました。また、金属製品の簡易保存処理も実施しており、調査によって出土した金属製品は錆の進
を防ぐために、空気・水を通さない特殊な袋に無酸素状態で密封して保管しています。
3.木製品の保存処理
発掘調査では、まれに遺跡から木製品が出土することがあります。近年、伊藤幸司氏らを中心に糖類で
あるトレハロースを用いた木製品保存処理方法について研究が深められ、従来の処理方法より安価で安
全・短期間で保存処理を行える方法として注目されています。
今回は、渡地村跡出土の木製品についてトレハロースを用いた保存処理を試験的に実施しました。保存
処理後の状況としては、遺物は全体形状を保っており、表面は木材の質感を保持しており状態は安定して
います。
今後も当センターでは、木製品の保存活用に向け、トレハロース法について研究していく予定です。
4.保存処理の様子
5.展示の様子
金属製品(中城御殿跡) 木製品(渡地村跡)
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