タイワンキドクガに注意!!

ページ番号1005045  更新日 2024年1月11日

印刷大きな文字で印刷

2005年5月23日現在で、毒蛾皮膚炎をおこすタイワンキドクガの幼虫(写真1、2)の発生が石垣市、糸満市、大里村、那覇市、豊見城市で確認されています。去年は大量発生し、多くの患者が皮膚科で受診したといわれています。また、2004年の4月下旬には、修学旅行で沖縄を訪れた兵庫県の高校生が糸満市大度海岸でスノーケル体験などを楽しんだ後、先生や付き添いを含む172人のうち76人がタイワンキドクガによる毒蛾皮膚炎を発症しました。2005年は、すでに石垣市でタイワンキドクガが大量に発生していると報道され、沖縄本島での発生もこれからピークに向かうとみられます。タイワンキドクガに注意しましょう。

タイワンキドクガの幼虫は大きくなっても2cm程度で、背中のオレンジ色の線と黒いコブが特徴です。雑食性ですが、クワディーサー(モモタマナ、コバテイシ)の葉で多く見られます。

写真:タイワンキドクガ1
写真1.タイワンキドクガの幼虫
写真:タイワンキドクガ2
写真2.タイワンキドクガの幼虫(2)

毒蛾皮膚炎の起こり方

タイワンキドクガの幼虫は体表に毒針毛(どくしんもう・写真3)とよばれる0.1mmほどの目に見えない毛が無数にあり、幼虫に直接触れたり、風で飛んできた毒針毛に接触することで毒蛾皮膚炎を発症します(写真4)。毒針毛は幼虫だけでなく、卵、幼虫の脱皮殻、蛹、成虫(蛾)にもあり、うかつに触ると刺されます。去年4月の修学旅行生の毒蛾皮膚炎集団発症事例では、スノーケル体験中、脱いだ衣類や荷物を海岸に放置しており、比較的強い風でタイワンキドクガの毒針毛が飛んで衣類等に付着し、それが後で皮膚に接触したことにより発症したと考えられます。

写真:タイワンキドクガ毒針毛
写真3.タイワンキドクガの毒針毛

症状

かゆみや紅斑(赤いブツブツ)などの症状が現れます(写真4)。タイワンキドクガに類似した毒蛾皮膚炎をおこすチャドクガでの症例によると、幼虫が皮膚に接触した直後から局所にかゆみ、紅斑などが生じる場合(即時型反応)と、その1~2日後にかゆみの強い紅斑や丘疹が生じる場合(遅延型反応)があります。これらの症状には個人差があり、片方だけ起こる人や、全く症状が現れない人もいます。

写真:タイワンキドクガ皮ふ炎
写真4.タイワンキドクガによる毒蛾皮膚炎

予防・応急処置

発生している場所に近づかないことが最も大事ですが、やむを得ず近くで作業をするときは長袖や長ズボンなどを着用し、できるだけ皮膚の露出を抑えます。着用した衣服には毒針毛が付着している可能性があるので、作業後はよく洗濯しましょう。

作業場所へは粘着テープを持参し、かゆみなどを感じても絶対に掻かないでください。掻くと毒針毛で皮膚をこすることになり、症状が広がります。まず、粘着テープをかゆい場所やその周辺に張ったりはがしたりして毒針毛を取り除きます。次に石鹸をつけてよく洗い流します。

症状が軽ければ、市販の抗ヒスタミン軟膏を塗り、かゆみや紅斑がひどければ、病院の皮膚科で診てもらいましょう。

参考文献

「チャドクガの幼虫による皮膚炎について」 兵庫医科大学皮膚科 夏秋 優

PDFファイルをご覧いただくには、「Adobe(R) Reader(R)」が必要です。お持ちでない方はアドビシステムズ社のサイト(新しいウィンドウ)からダウンロード(無料)してください。

このページに関するお問い合わせ

沖縄県 保健医療部 衛生環境研究所
〒904-2241 沖縄県うるま市兼箇段17-1
電話:098-987-8211 ファクス:098-987-8210
お問い合わせは専用フォームをご利用ください。